にぎわい創出へ八代定期ツアー やつしろ観光ガイド協会、8月まで試行 自主財源確保、担い手発掘へ

AI要約

八代市の観光ガイド協会が、市民俗伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」を発着地とする有料のガイドツアーを毎週土日に開催している。

旅行代理店やクルーズ船観光客向けのガイド業務を請け負っている協会は、市内各地を巡るツアーなどを提供しており、定期開催は初めての試みとなる。

ガイドツアーは八代城跡や松浜軒などを訪れる2つのコースで、大人千円、中学生以下五百円で参加できる。

八代市民は半額で参加できるという。

活動資金を確保するため、協会は有償ツアーを積極的に行い、収益の一部を地元の文化財保存組織に寄付するなど、自立を目指している。

また、新たなガイドの育成や若い世代の参加を促進するために取り組んでいる。

にぎわい創出へ八代定期ツアー やつしろ観光ガイド協会、8月まで試行 自主財源確保、担い手発掘へ

 八代市のやつしろ観光ガイド協会が7月からの毎週土、日曜日、市民俗伝統芸能伝承館「お祭りでんでん館」(西松江城町)を発着する有料のガイドツアーを開いている。定期開催は初の試みで、8月までの期間限定。史跡や名勝が近い立地を生かし、市中心部のにぎわいづくりと自主財源の確保を目指す。

 協会は2015年9月、市内の観光ガイド4団体が統合して発足。観光客や旅行代理店の要請に応じて市内各所をガイドするほか、クルーズ船の観光客の案内やでんでん館での解説業務を担ってきた。

 定期ツアーは、でんでん館の入館料が7月から無料になるタイミングに合わせて、増加を見込む来館者への対応を念頭に企画。国指定史跡「八代城跡」か、国指定名勝「松浜軒」を徒歩で巡る2コースで、大人千円、中学生以下500円。八代市民は半額となる。

 7日、松浜軒のツアーに参加した南阿蘇村の会社員男性(23)は「帰省中、でんでん館に行こうと調べたらガイドツアーがあって良かった。定期開催なら観光客は予定が立てやすい」と喜んだ。

 協会は今年で発足10年目を迎え、組織運営や後継者育成にかかる費用の確保が課題となっている。4月、2代目会長に就いた宮﨑和代さん(55)は「有償ツアーを定着させて、補助金に頼らず自立したい」。2カ月間の試行ツアーの益金は市民俗文化財保存連合会に寄付し、文化遺産の保護に使ってもらう。

 このほか、ツアーの定期化で協会の認知度を高め、新たな担い手の発掘を狙う。現在、約70人のガイドは定年退職した高齢者が多く、常に活動できるのは20人程度。新型コロナウイルス禍が落ち着いたことで、海外から八代港へ寄港するクルーズ船が増え、ガイドの需要は高まっている。

 宮﨑さんは「ガイドになれば八代の歴史や文化を学び、外国語を話す機会も得られる。高校生も含む若い世代の参加を期待したい」と呼びかけている。

 毎週土日のツアーは予約制。宮﨑会長☎080(5207)4756。(河内正一郎)