ソフトボールの〝大エース〟上野由岐子が見据える4年後 「どういう形で携わるのか」

AI要約

日本代表が日米ソフトボール親善試合で3戦全勝し、上野由岐子の活躍が注目される。

左膝手術を経て復帰した上野はリリーフとして起用され、今後のチームへの危機感を持つ。

上野は若手選手の成長をサポートしつつ、次の四年後の五輪に向けてチームを盛り上げる意気込みを語る。

ソフトボール女子の国際親善試合、日米対抗は4~8日に各地で行われ、日本が3戦全勝した。世代交代が進む日本代表で、ひときわ歓声を浴びたのは2008年北京、21年東京五輪金メダルの立役者でもある上野由岐子(ビックカメラ高崎)。28年ロサンゼルス五輪出場へ注目が集まる中、「どういう形で自分が携わるのかなっていう感じ。客観的に」と率直な思いを明かした。

■左膝手術後はリリーフが主に

東京五輪で歓喜を味わった、横浜スタジアムでの第3戦に出番が来た。4点リードの六回に初登板した上野は、ソロを許して1回1失点。「久しぶりのゲームだったので、まあまあかな」と状態を冷静に分析しつつ、「やっぱり特別な場所。またこのマウンドに立てたことはうれしいし、ここまで選手としてやれていることを大事にしたい」と感慨を口にした。

ソフトボール界のレジェンドも22日で42歳。東京五輪後に左膝手術を受け、昨年4月に復帰後はリリーフでの起用がメーンになった。「一選手としてもやれるだけ頑張りたい」。向上心は尽きないが、「私が頑張れば勝てるチームであってはいけない」という危機感も抱くようになった。

■「選手として若手の背中押す」

今夏のパリ五輪で除外されたソフトボールは、4年後のロス五輪での復帰が決まった。五輪ムードが高まる中、上野が登板した8日は観客約6800人が球場に駆け付けた。「もっと結果を残して、もっともっと注目される競技になればソフトボール界を盛り上げていける」と、まずは15日にイタリアで開幕するワールドカップで世界一を狙う。

現メンバーで五輪経験者は3人のみとなった。どんな立場で、4年後を迎えるのか。上野は「若手の投手がこれからの日本を背負っていけるように、自分がどれだけ背中を押せるか。もちろん選手としてやっていきながら、いろんなものを伝えて、4年後に進んでいけたらいいのかな」とほほ笑んだ。(川峯千尋)