死亡事故に歯止めを 長野県警本部が売木村で出発式 夏の交通安全やまびこ運動

AI要約

「夏の交通安全やまびこ運動」がスタートし、長野県警本部主催の出発式が売木村で開催された。阿南署や飯田署など約100人が参加し、多発している死亡事故に歯止めをかける取り組みが行われた。

過去40年間連続して死亡事故ゼロだった売木村で2件の死亡事故が発生したことに危機感が示され、交通安全対策の重要性が強調された。阿南署では夏の行楽シーズンを迎え、安心安全な道路環境の整備に力を入れる考えを示した。

交通ルールの順守や正しい交通マナーの実践を呼び掛ける「夏の交通安全やまびこ運動」が展開され、さまざまな啓発活動が行われる。死亡事故多発警報も発令され、交通安全意識の向上が求められている。

死亡事故に歯止めを  長野県警本部が売木村で出発式  夏の交通安全やまびこ運動

 「夏の交通安全やまびこ運動」がスタートした11日、長野県警本部主催の出発式が売木村で開かれた。県警本部や阿南署、飯田署、県、近隣町村、阿南交通安全協会などから約100人が参加。飯田下伊那地域で多発している死亡事故に歯止めをかけようと、出発パレードや人波作戦を行った。運動は20日まで。

 夏の運動の出発式は例年、警察署ごとに開いているが、今年に入って飯伊で8件、うち売木村で2件の死亡事故が発生していることを受けて県警本部が同村で開催した。

 役場駐車場で開かれた出発式であいさつに立った清水秀樹村長は、過去には約40年連続で死亡事故ゼロだったこともある村で2件の死亡事故が発生していることに危機感を示し「これ以上貴い命が事故で失われないよう、今日を機にしっかりと交通安全対策を行っていく」と力を込めた。

 阿南署の秋山誠司署長は「夏の行楽シーズンを迎えるにあたり、来訪者が無事に観光を楽しめるように安心安全な道路環境をつくっていく」と述べた。

 式後にはパトカーや白バイが出発パレードで啓発に向かい、参加者は国道418号などで人波作戦を展開。村文化交流センターぶなの木では県警音楽隊・カラーガード隊によるコンサートもあった。

 同運動では、子どもたちの行動が活発化して事故の懸念が増す夏休み前に、交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を呼び掛ける。「信濃路は みんなの笑顔 つなぐ道」をスローガンに、高齢者の事故防止や自転車利用者のヘルメット着用、飲酒運転の根絶などを重点に関係機関が啓発活動を行う。

 飯伊の人身事故発生件数は10日現在、昨年同期比10件減の131件、けが人は23人減の139人、死者は5人増の8人。

 7月にも1件の死亡事故が発生しており、県や警察でつくる県交通安全運動推進南信州地方部は10日、2015年以来となる死亡事故多発警報(20日まで)を発令した。