県道崩落で孤立続く日御碕地区 片側交互通行できる仮設道路設置へ 島根県出雲市

AI要約

記録的大雨で県道の一部が崩落し、235世帯の孤立が続いている出雲市大社町日御碕地区の道路復旧を巡り、県道を管理する島根県は仮設道路を設置する考えを示した。

県は地形測量を実施し、明日には仮設道路の設計に入り、早期の片側通行を目指すことを発表した。

出雲市は国土交通省の協力を得て物資を海路で送り届け、住民に支援を提供している。

県道崩落で孤立続く日御碕地区 片側交互通行できる仮設道路設置へ 島根県出雲市

 記録的大雨で県道の一部が崩落し、235世帯の孤立が続いている出雲市大社町日御碕地区の道路復旧を巡り、県道を管理する島根県は11日、本格的な復旧に先立ち、片側交互通行ができる仮設道路を設ける考えを示した。また同日、海路で食料などの支援物資が届いた。

 県はこの日、崩れた形などを調べる地形測量を実施した。12日は仮設道路の設置に向けた具体的な設計に入り、早期の片側通行を目指す。

 道路維持課の実原哲也課長は「どんな仮設道路が設けられるのか、何パターンか計画を考えている。少しずつ見通しが立ってきている」と述べ、近く工期の見通しを示すとした。崩落現場を迂回(うかい)するルートや、県道を活用して橋を架ける案などが浮上している。

 仮設道路設置後の本復旧については、道路が長さ約50メートルにわたり、ガードレールごと海側に大きく崩落しているため、相当の時間を要すとしている。

 一方、出雲市は11日午前、国土交通省の協力を得て小型船舶を出し、水や食料、紙おむつなどの物資を輸送した。住民はコミュニティセンター前に届いた物資を協力して運び入れた。市は今後、地域の要望に応じて物資を輸送する。

 道路の崩落で車は通れないが、歩いて付近の私有地を通って迂回するルートはある。市は陸路、海路の両方での物資輸送を検討している。

 市によると、出雲日御碕灯台がある観光地の日御碕地区には548人が暮らしているが、市は現場への負担を減らすため1軒ごとの調査を行っておらず、正確な人数は把握していない。水道や電気、電話回線は被害を受けていない。

 気象庁は、11日までの大雨で地盤が緩んでいる地域では、少ない雨量でも災害の危険性があるとして、警戒を呼びかけている。