出雲空港、JAL羽田行き門限1分オーバー離陸で過料5万円 悪天候でダイヤ乱れ

AI要約

出雲空港での運用時間超過により日本航空に過料が科せられる事件が発生

混雑や悪天候の影響で羽田行きの便に遅れが生じる

島根県が管理する空港で初めての過料処分となった

出雲空港、JAL羽田行き門限1分オーバー離陸で過料5万円 悪天候でダイヤ乱れ

 島根県が管理する出雲空港で今年4月16日に、日本航空(JAL/JL、9201)の羽田行き最終のJL286便(ボーイング767-300ER型機、登録記号JA656J、乗客199人〔幼児2人含む〕)が、県の許可を得ずに空港の運用時間(門限)を1分超過して離陸したとして、県はJALに5万円の過料を科したと7月9日に発表した。当日は航路の悪天候や羽田の混雑でダイヤが全国的に乱れていた。

 出雲空港の運用時間は、住宅地が隣接する周辺環境を考慮し、午前7時30分から午後8時30分まで。悪天候など正当な理由がある場合は、県知事の許可を得て離着陸できる。

 問題となった4月16日は、羽田空港の混雑や航路の悪天候による影響が全国的に及んでいた。出発便の羽田行きJL286便は、定刻では出雲を午後7時25分に出発予定だったが、使用機材の到着がこれらの理由で遅れた影響で午後8時15分に出発した。

 また、定刻では出雲へ午後7時55分に到着予定だった羽田発最終のJL287便(737-800、JA314J、乗客103人〔幼児1人含む〕)も、羽田の混雑や悪天候の影響で到着が遅れていた。管制上の都合で、羽田発JL287便の着陸を、羽田行きJL286便の離陸よりも優先させることになり、JL287便は午後8時26分に出雲へ着陸し、駐機場には3分後の同29分に到着した。

 出雲は滑走路に並行する誘導路がないため、着陸したJL287便は滑走路端で折り返し、中ほどの地点で滑走路から離脱した後、羽田行きJL286便が午後8時31分に離陸した。

 JALによると、到着が遅れていた羽田発JL287便は、県の空港管理事務所に空港使用時間の臨時延長申請を書面で提出し、県から許可を得ていた。一方、問題となった羽田行きJL286便は、空港事務所に電話をしていたものの、書面による正式な申請には至っておらず、県としては申請を受けていない認識だったという。

 JL286便は管制から離陸の許可を得ており、JALは運用時間内に離陸が可能と判断していたが、結果的に1分超過して離陸したことで、無許可の離陸になったという。

 4月に問題が発生後、処分が7月になった理由については、県によるとJALからの発生原因の報告や再発防止策の提出が予定よりも1カ月ほど遅くなったことや、事実関係の確認に時間がかかったためだという。島根県空港条例では、知事の許可を受けない離着陸に対する罰則として、5万円以下の過料を科すと定めており、今回は軽減する理由がないため、5万円になったという。

 島根県が管理する空港は、出雲、石見、隠岐の3空港で、県によると過料処分は初めてだという。