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アスベストで死亡した男性の労災記録を労基署が廃棄 国の違法性を認める初の判決
神戸地裁は、労働基準監督署がアスベストによる死亡者の労災記録を誤って廃棄したことが違法であるとして、国に賠償を命じる判決を言い渡した。
男性は建設現場でアスベストを吸い込んで中皮腫を発症し、死亡後に労災認定を受けていた。
遺族は建材メーカーを訴えた際、労災記録が廃棄されていたため、メーカーの責任を立証するのが難しくなったとして国に損害賠償を求めていた。
![アスベストで死亡した男性の労災記録を労基署が廃棄 国の違法性を認める初の判決](/img/article/20240711/668f97f4627fa.jpg)
アスベストが原因で死亡した男性の労災記録を、労働基準監督署が誤って廃棄したのは違法だとして、神戸地裁は国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
訴状などによりますと兵庫県三木市の男性は、建設現場でアスベストを吸い込んで中皮腫を発症し、2003年の死亡後に労災認定を受けました。
遺族が建材メーカーを訴えたところ、加古川労働基準監督署が男性の労災記録を誤って廃棄していたことが分かり、遺族は「メーカーの責任の立証が難しくなった」として、国に損害賠償を求める別の裁判を起こしていました。
神戸地裁は11日、「厚労省の通達が出ていたにもかかわらず、保存期間を延長していなかったのは違法」として、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
弁護団によりますと、「公文書の誤った廃棄」について、国の違法性が認められたのは初めてだということです。遺族は、「父も労災記録も戻って来ないが、二度と同じようなことにならないよう、対策をしてほしい」とコメントしています。