不戦の決意 岡山空襲79年に誓う 市戦没者追悼式 遺族や児童ら参列

AI要約

岡山市街地の6割を焼失させ、多くの市民の命を奪った岡山空襲から79年を迎えた29日、市戦没者追悼式が岡山芸術創造劇場ハレノワで営まれた。

空襲で亡くなり、身元が判明している1470人の名簿を祭壇に奉納し、遺族や児童生徒ら約350人が参列。戦災死者と、戦地で命を落とした市出身者に黙とうをささげた。

市民を代表して5人が追悼の言葉を読み上げ、参列者は献花台に菊の花を手向け、平和都市宣言が述べられた。

不戦の決意 岡山空襲79年に誓う 市戦没者追悼式 遺族や児童ら参列

 岡山市街地の6割を焼失させ、多くの市民の命を奪った岡山空襲から79年を迎えた29日、市戦没者追悼式が岡山芸術創造劇場ハレノワ(同市北区表町)で営まれた。遺族や児童生徒ら約350人が参列。犠牲者を悼み、平和への思いを新たにした。

 空襲で亡くなり、身元が判明している1470人の名簿を祭壇に奉納。戦災死者と、戦地で命を落とした市出身者に1分間の黙とうをささげた。式辞で大森雅夫市長は「今なお世界各国で武力紛争が続いている。痛ましい記憶を風化させないよう戦争の悲惨さを伝えるとともに、安心して生活できる岡山市を目指す」と述べた。

 壇上では市民を代表して5人が追悼の言葉を読み上げた。市戦災遺族会の岡野征二会長(79)=同市北区=は「戦争によって何の罪もない多くの方々が犠牲になった。平和の尊さに感謝し、教訓を語り継いでいくことが私たちの責務」、ノートルダム清心女子大4年出射由貴さん(21)は「戦争を過去の出来事として片付けず、現代に照らして考え続ける必要がある。先人たちの不戦の決意を守っていきたい」と誓った。

 参列者は会場に設けられた献花台に黄色の菊の花を手向け、小中学生5人が壇上で「平和都市宣言」を朗読した。

 岡山空襲は1945年6月29日未明にあり、米軍のB29爆撃機138機が約1時間半にわたって焼夷弾(しょういだん)約9万5千発を投下した。市史は死者を1737人と伝え、実際は2千人を超すとの指摘もある。