旦那さまが亡くなられた友人は遺族年金をもらっていないようです。年収が関係あるのでしょうか?

AI要約

遺族年金は、生計を支えていた者が死亡した際に条件を満たす家族が給付を受けられる制度であり、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類に分類される。

遺族年金を受けるためには、受給要件を満たし、受給対象者に該当することが必要であり、受給を受けられないケースもある。

遺族年金をもらえないケースには、子がいない場合や遺族の生計が認められない場合などがあるので、要件を理解しておく必要がある。

旦那さまが亡くなられた友人は遺族年金をもらっていないようです。年収が関係あるのでしょうか?

遺族年金とは、生計を支えていた者が死亡した際に、条件を満たす家族が給付を受けられる制度です。しかし、受給対象者を細かく設定しており、家族であれば必ずしも給付を受けられるわけではありません。夫が亡くなったのに、遺族年金をもらえないケースも有り得ます。

本記事では、遺族年金の受給要件をはじめ、遺族年金をもらえないケースについて解説します。遺族年金に対する疑問を解消して、万が一の際に備えてください。

遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類に分類され、亡くなった人がどちらの年金に加入していたかによって受け取れる年金が異なります。それぞれの遺族年金の特徴と受給要件をまとめて解説します。

■遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた者が死亡した際に支給される制度です。受給要件と受給対象者は図表のとおりで、子のいる配偶者や子が年金を受け取れます。

【図表1】

※日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成

遺族基礎年金を受け取るためのポイントとなるのが、子がいるかどうかです。子のいない場合は遺族基礎年金の受給対象に該当しないため、自身で収入を確保しなければなりません。

■遺族厚生年金

遺族厚生年金は、会社員や公務員といった厚生年金に加入していた者が死亡した際に支給される年金です。遺族厚生年金の受給要件と受給対象者は図表2のとおりで、子のない配偶者や父母なども含まれています。

【図表2】

※日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成

死亡した者の収入で生計を維持していた遺族に対して支給される点は、遺族基礎年金と同じです。ただし、子のない配偶者や父母などが受給対象者になるなど、遺族基礎年金と比べて対象の幅が広がっています。

遺族年金をもらえるのは、受給要件を満たしている、かつ受給資対象者に該当する人のみです。遺族年金をもらえないケースは以下のとおりなので、事前に内容をチェックしておきましょう。

・受給要件を満たす子がいない

・遺族の生計維持が認められない

・配偶者が再婚または子が結婚した

・死亡者に年金保険料の未納・滞納がある

■受給要件を満たす子がいない

遺族基礎年金は子のいる配偶者または子に限ります。子がいない場合は遺族基礎年金をもらえません。遺族厚生年金は、30歳未満の子のない妻に受給資格はありますが、受給期間は5年間に限定されます。

■遺族の生計維持が認められない

遺族年金は、死亡当時、死亡した人に生計を維持されていた遺族が受け取れます。生計を維持されているとは以下のとおりで、該当しない場合は受け取れません。

・同一生計である(同居している、別居中でも仕送りをしている、健康保険の扶養親族であるなど)

・原則として、前年の収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満の人

■配偶者が再婚または子が結婚した

遺族年金を受給している配偶者が再婚、子が婚姻した際には受給資格を喪失します。

■死亡者に年金保険料の未納・滞納がある

死亡者が国民年金保険料を未納・滞納している場合、遺族年金をもらえないので注意してください。遺族年金をもらうために、以下の保険料納付要件を確認しておきましょう。

・死亡日の前々月までの保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上ある

・死亡日が2026年3月末日まで、死亡者が65歳未満の場合、死亡日の前日において、死亡日の前々月までの直近1年間に保険料未納がない

なお、厚生年金に加入していれば、毎月の給与から保険料が天引きされるため、未納になることはありません。