ネパール出身の店員、日本語で「警察に行った方がいい」 コンビニで働く留学生、語学磨き詐欺被害防ぐ 神戸

AI要約

留学生が詐欺被害を防ぐ活躍をしたエピソード。

留学生が日本語の練習を通じて詐欺被害を未然に防ぐ。

留学生の行動が警察によって称賛される。

ネパール出身の店員、日本語で「警察に行った方がいい」 コンビニで働く留学生、語学磨き詐欺被害防ぐ 神戸

 詐欺被害を防いだのはネパール出身の留学生だった-。ローソンゴダイ神戸大田町二丁目店(神戸市須磨区大田町2)のアルバイト、タパ・マガー・カマルさん(26)は5月、店長から教わった詐欺被害の情報を参考に、女性が被害に遭うのを未然に防いだ。「警察に行った方がいいですよ」。日頃練習した日本語が、人助けに生きた。

 カマルさんは2022年5月にネパールから来日。接客を通して日本語をさらに上達させようと、1年前から同店で働く。業務の合間、店長から特殊詐欺の手口を聞き、「日本は安全な国のイメージだが、詐欺が多いと知って嫌な気持ち」と感じていた。詐欺に遭いそうな人を見かけたら、落ち着いて伝えられるように、声のかけ方のシミュレーションを繰り返していた。

 5月5日未明だった。60代女性が来店し、焦った様子で5万円分の電子マネーカードを購入しようとしていた。店内清掃中だったカマルさんに「パソコンがウイルス感染した。修理代金を電子マネーカードで支払うよう言われたが大丈夫だろうか」と尋ねてきた。

 目の前の女性は心配した表情を浮かべていた。カマルさんは不審に思い、簡単な日本語で警察に行くように伝えた。女性は須磨署に向かい難を逃れた。練習の成果が生きた瞬間だった。

 須磨署から署長感謝状を贈られたカマルさんは「高額のカードを買おうとする客がいたら、売る前に用途を聞いてから売りたい」と話した。(井筒裕美)