「『あっち、あっち』としか言わない」観光地を裸足で歩く2歳児 警備員の“とっさの判断”が幼い命守る

AI要約

ゴールデンウィーク中の静岡県島田市で行方不明の2歳の男の子が警備員に保護される。男性警備員の迅速な判断が最悪の事態を回避し、無事に男の子が家族に戻されたエピソード。

男性警備員は混雑する観光名所で働いており、ひとりで歩いていた男の子を発見。適切な対応で男の子を保護し、警察に通報することで事態解決に貢献。

男の子が無事に家族と再会し、けがもなかったことから、警備員の迅速な行動が評価され、感謝状が贈呈されました。

「『あっち、あっち』としか言わない」観光地を裸足で歩く2歳児 警備員の“とっさの判断”が幼い命守る

ゴールデンウィークでにぎわう静岡県島田市内の観光地で、交通誘導の業務にあたっていた60代の男性警備員の男性が、行方不明となっていた2歳の男の子を見つけ、無事保護しました。「このままでは、まずい」。男性警備員のとっさの判断が、最悪の事態を防ぎました。

静岡県掛川市に住む警備員の久米進さん(66)、2024年5月4日、ゴールデンウィークでにぎわう島田市の観光名所「蓬莱橋」の臨時駐車場で、やってくる観光バスなどの誘導の仕事にあたっていました。

その日は、交通量が多かったといいます。車の行き来に注意を払うなか、久米さんの目に飛び込んだのは、靴も履かず、ひとりでとぼとぼと歩く大人の腰ほどの背丈の男の子の姿でした。

「何をしているのかな、おかしいな、ひとりなのかな。車にひかれたら大変だし、危ないし、誰かに連れ去られたら、それこそまずいと思った」

久米さんはとっさに男の子に駆け寄り、声をかけたといいます。

「子どもは『あっち、あっち』としか言わないし、周辺を10分ぐらい歩いた」

久米さんは、無線で別の警備員に連絡を取りながら、男の子の家族がいないか、一緒に探しながら歩いたといいます。

ちょうどそのころ、島田警察署に1本の電話が入りました。

■「迷わず声を掛ける」

「子どもが行方不明に」

2歳の男の子の家族からの連絡でした。男の子が行方不明になったというのです。事件や事故に巻き込まれた可能性があるかもしれない。署内には緊張が走りました。署員が捜索態勢に取ろうと準備を始めた矢先、連絡が入りました。久米さんからの通報でした。

男の子はこの後すぐ、家族と再会を果たすことが出来ました。けがもありませんでした。

「親切かつ、勇気ある行動により事故防止に貢献されました。ありがとうございました」

出来事から約2か月、男の子の保護に大きく貢献したとして、久米さんに感謝状を贈呈しました。森昭夫署長は、事故や事故などに巻き込まれていた可能性があったとして、意思疎通の難しい幼い子どもに、やさしく声を掛け、さらに警察に通報した久米さんの“とっさの判断”をたたえました。

「早く保護し、早く親御さんが見つかって良かった」と久米さん。今後も「同じような場面に出くわしたら、迷わず声をかける」と話しました。