奄美関連作家展始まる 県美展入賞作など22点

AI要約

第70回記念県美展奄美関連作家展が奄美市で開催された。奄美在住者の作品を中心に写真、洋画、日本画、工芸などの作品が展示されている。30日まで開催。

奄美群島在住の作家を紹介し、地域の芸術文化振興を目的とする企画展で、県美展後に開催されている。

初日にはギャラリートークが行われ、参加者は作品の特徴や印象について議論した。作家たちは作品に込めた思いや題材についても解説した。

奄美関連作家展始まる 県美展入賞作など22点

 「第70回記念県美展奄美関連作家展」が15日、鹿児島県奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館企画展示室で始まった。県美展で入賞・入選した奄美群島在住者の作品を中心に、写真、洋画、日本画、工芸など多彩なジャンルの22点が並んでいる。30日まで。

 鹿児島県美術協会など主催の県美展後に開催する同館恒例の企画展で、奄美群島在住の作家の紹介や地域の芸術文化振興などが目的。

 初日は、県美術協会会員で県美展の審査員を務めたニッコールクラブ奄美群島支部顧問の稲光政さん(79)と名瀬美術協会会長の久保井博彦さん(76)を案内役に、出品作家らを交えて作品を品評するギャラリートークがあり、20人余りが参加した。稲さんが写真、久保井さんが絵画や工芸を担当し、1点ずつ作品の特徴や印象を紹介。参加した作家も、作品に込めた思いや題材などについて解説した。

 龍郷町のすずきあけみさんは、アクリル画「I LOVE AMAMI 〝旅立て!2羽のうみう〟」で鹿児島市立美術館賞を受賞。同町の赤尾木湾をモチーフにしたという海で、岩から飛び立とうとする1羽のウミウとそれを見届けるもう1羽を、今年3月に亡くなった義理の母と自身に擬人化させたといい、死後の世界を見詰める心情をダイナミックに表現。すずきさんは「義理の母がテーマで特別な思いがあった。(昨年欠席した)受賞式に今年は出席できてよかった」と話した。

 同館学芸専門員の上原直哉さん(46)は「多彩な部門にレベルの高い作品が集まった。今年は各作家のこだわりやテーマ性が強く主張された作品が多い。中高生など若い人たちにもぜひ実物を見て刺激を受けてもらいたい」と話した。