にしおかすみこ、高畑淳子とLiLiCoに思い切って「野望」を口にしてわかったこと

AI要約

2023年に刊行されたにしおかすみこさんの著書『ポンコツ一家』の冒頭には、彼女自身や家族の個性的な事柄が羅列されている。

『お終活 再春! 人生ラプソディ』の主演である高畑淳子さん、出演者のLiLiCoさんとにしおかすみこさんが映画のテーマや介護について鼎談を行う。

映画の内容や登場人物とにしおかすみこさん自身の繋がりから、予想外の共通点が明らかになる。

にしおかすみこ、高畑淳子とLiLiCoに思い切って「野望」を口にしてわかったこと

 「母、80歳、認知症。姉、47歳、ダウン症。父。81歳、酔っぱらい。ついでに、私は元SMの一発屋の女芸人。45歳、独身、行き遅れ。全員ポンコツである」

 これは、2023年に刊行した、にしおかすみこさんの著書『ポンコツ一家』の冒頭だ。パワーワードの羅列に驚く人もいるだろうが、事実である。

 そんなにしおかさんが『お終活 再春! 人生ラプソディ』(5月31日公開)に主演している高畑淳子さんと、出演しているLiLiCoさんと鼎談を行った。

映画のテーマはタイトル通り「終活」であり、「再春」である。そして映画には認知症や介護のこともたっぷり描かれる。

 鼎談の様子は3つに分けて公開となっているが、にしおかさんが鼎談に挑み、そして鼎談を終えてどのように思ったのか。自身の筆で率直に綴ってもらった。

 『高畑淳子さんとLiLiCoさんとにしおかすみこで鼎談』という仕事が舞い込んだ。

わぁ~! と高揚しながら最後が読めない。《鼎談》って? けんだんか? 鼎が判子の押すところみたいに見える。我ながら無知。

スマホに勘で文字を幾つか入れ検索してみる。ていだんだ。3人が向かい合って話をすること。

なるほど。対談の3人バージョンか。……ええ? ! ひっくり返りそうになった。この面子で? 私だけバランスがおかしいだろう。それに接点がない。

 改めてマネージャーさんに内容を聞く。

「まず映画『お終活 再春! 人生ラプソディ』が5月31日公開されます。前作『熟春! 』の第2弾です。主演が高畑さん。そしてLiLiCoさんは新キャスト」と。

ほぉほぉ。まるで無縁だ。強いて言えば第一弾はたまたま観た。面白かった。全ての映画というものに疎い私だが、たまに無作為に観たりする。その中のひとつだ。私にとってこれは奇跡のご縁。……このペラさでいけるか? 

 説明は続いている。要約するとこうだ。「今回映画のストーリーで、主婦の千賀子(高畑さん)は旦那の真一(橋爪功さん)が認知症かもという事態。同じく主婦の理佳子(LiLiCoさん)はお父さんの介護がひと段落したところ。独身のにしおかさんは現在実家に戻って、認知症の母と暮らし、その家族の物語を綴った書籍『ポンコツ一家』を刊行、連載は継続中。その共通する介護や老後について鼎談しませんか?」と。

 接点が降ってきた。

「やりたいです!」何だこの企画。ラッキーだ! 緊張はするが、こんな機会そうない。即決で頭の中の契約書ににしおかすみことサインし《鼎》の判子を押した。