水原一平被告が勤勉だったのは「ギャンブル依存症あるある」。当事者が語るその「本当の怖さ」

AI要約

ギャンブル依存症は病気であり、自覚しにくい精神疾患である。日本では3%の成人がそのリスクを抱えており、家族も巻き込まれることが多い。

ギャンブル依存症になる可能性は誰にでもあるが、病気として認定されており、WHOやアメリカの精神医学会でもその認識が広まっている。

現在、日本では約320万人が生涯でギャンブル依存症の症状を経験しており、家族も合わせると1000万人を超える人々がこの問題で苦しんでいる可能性がある。

水原一平被告が勤勉だったのは「ギャンブル依存症あるある」。当事者が語るその「本当の怖さ」

 大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告の違法賭博問題によって注目を集めている「ギャンブル依存症」。水原被告自身、「自分はギャンブル依存症」と告白しているが、なぜ抜け出すことができなかったのか。

かつて競艇やカジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫もギャンブル依存症という三代にわたって当事者家族という立場も経験している田中紀子さん。現在は病気についての啓発活動や当事者・家族への支援活動を行う田中さんに、依存症の実態と対策について、YouTubeたかまつななチャンネルで聞いた。

 ※本記事はたかまつななさんのYouTubeチャンネル「たかまつななチャンネル」で配信された動画の内容を記事化したものです。

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田中紀子 プロフィール

公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表。講演やイベントを通じて依存症という病気についての啓発活動や予防教育、依存症当事者やその家族に対する支援活動を行っている。著書:『三代目ギャン妻の物語』(高文研)、『ギャンブル依存症』(角川新書)

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 ――そもそも、ギャンブル依存症は病気なんですか? 

 田中:ギャンブルが最優先になって、それにのめり込んで自分ではコントロールできなくなってしまう精神疾患で、WHOでもアメリカの精神医学会でも病気だと認定されています。そして、自覚しにくい病気なんですよ。ギャンブルをやる人なら誰でもなる可能性があって、日本ではそのリスクが3%ほどというデータが出ています(※)。

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※厚生労働省は2017年、20~74歳の約320万人(3.6%)が生涯でパチンコや競馬などのギャンブル依存症が疑われる状態になったことがあるとする調査結果を発表。

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 ――3%って高いですよね。100人いたら3人なるということですか。

 田中:成人のうち、320万人ぐらいが生涯のうちに罹患しているんじゃないかという推計も出ています。相当な数ですよね。それで巻き込まれる家族を含めると、1000万人を超えます。すると、人口の1割以上がこの問題で苦しんでいることになるんですよね。