麦の穂が枯れる「赤かび病」が各地で発生 栃木では平年の10倍、農水省が注意喚起

AI要約

全国で相次いで発生している赤かび病について、被害の拡大や原因、対策について報告。

赤かび病が麦類に及ぼす影響や健康リスク、病原菌が産生する毒素について説明。

農水省の情報によると、今後多くなると予想される発生地域や防除の重要性について述べられている。

小麦や大麦が感染すると穂が褐色になって枯れ、品質低下を招く「赤かび病」が今年、全国で相次いで発生している。栃木県では発生した畑が平年の10倍となり、埼玉県や長崎県でも過去10年で最多に。農林水産省は被害を防ぐため、適切な時期に防除するよう呼びかけている。

赤かび病は、麦類の栽培で最も重要な病害とされ、発生すると収量や品質の低下を招く。また、病原菌であるフザリウム属菌はカビ毒の一種、デオキシニバレノール(DON)を産生し、大量に摂取すると嘔吐や食欲不振といった消化器系の症状を引き起こすほか、免疫系に影響を与えることもある。

農水省は5月15日に発表した病害虫発生予報で、既に愛知、滋賀、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分の各県で注意報が発令されているとした上で、今後、南関東から近畿にかけての本州と四国、九州で発生が多くなると予想。小麦の場合は、感染しやすい開花期に防除するよう注意喚起した。

20日に注意報を出した埼玉県の病害虫防除所は、今年は小麦の開花期と(原因となる)子嚢胞子の飛散好適日が完全に一致したことが原因だと分析。5月に降雨日が多く高温多湿だったことも、病原菌の繁殖を招いたとしている。