パリパリ生地でリンゴを包んだ「クルスタッド・オ・ポム」はアラブとフランスのハイブリッド型 大森由紀子のスイーツの世界

AI要約

フランスの食文化は他国の料理をアレンジして受け継がれており、お菓子にもその影響が見られる。

フィロ生地はアラブ菓子の影響を受けてフランスに伝わり、柔らかく伸ばして使用される。

クルスタッド・オ・ポムはアーモンドクリームとリンゴをフィロ生地で包んで焼いたフランスの伝統菓子で、仕上げには地元のアルマニャックをかける。

パリパリ生地でリンゴを包んだ「クルスタッド・オ・ポム」はアラブとフランスのハイブリッド型 大森由紀子のスイーツの世界

フランスの食は、他国発祥のものをアレンジして伝わっていることが多いのです。お菓子もしかり。その一つに、アーモンドクリームとリンゴをフィロ生地で包んで焼いた「クルスタッド・オ・ポム」があります。

フィロ生地は粉と水、塩などを混ぜて、かざすと向こうが透けるほど薄く延ばしたもの。アラブ菓子によく使われます。7世紀、アラブ人が仏西部のポワティエ周辺に攻め込んだ際、土地の女性に製法を伝えたとされています。

その生地にリンゴとクリームをくるんで焼き上げ、オーブンから取り出すと、パリパリッと歯切れのいい音が聞こえてきそう。仕上げに地元のお酒、アルマニャックをかければ、アラブ菓子をアレンジして発展させたフランス伝統菓子の完成です。

大森由紀子

おおもり・ゆきこ フランス菓子・料理研究家。「スイーツ甲子園」(主催・産経新聞社、特別協賛・貝印)アドバイザー。