能登半島地震の被災猫、東京で譲渡を 保護団体が搬送費などCF

AI要約

活動資金を募るためにクラウドファンディングへの協力を呼びかけている一般社団法人が、被災猫の搬送費や医療費などの支援を求めている。

団体は能登半島地震で被災した猫を引き取り、病気の猫は治療を施し、人慣れしていない猫は訓練をして譲渡できるようにしている。

避難生活を送る被災者らがペットと共に避難生活を断念するケースがあり、団体は長期的な支援を続けるために資金を募っている。

能登半島地震の被災猫、東京で譲渡を 保護団体が搬送費などCF

 能登半島地震で被災した猫を引き取り、東京都内で譲渡する活動をしている一般社団法人が、被災猫の搬送費や医療費などの支援を求めて、クラウドファンディング(CF)への協力を呼びかけている。【東海林智】

 団体は「東京都人と動物のきずな福祉協会」(香取章子代表理事)。これまで活動資金は団体の運営費でまかなってきたが、長期的な支援を継続するため、資金を募っている。

 団体は昨年、環境省による「広域譲渡モデル事業」への協力を打診されていた。その後、1月に能登半島地震が発生。同省から石川県の被災動物が広域譲渡の対象になったと連絡を受け、協力することになった。

 団体によると、現地では家を失った被災者らがペットと共に避難生活を送ることを断念するケースがあり、県北部の動物収容施設に猫が持ち込まれているという。香取代表は「県の施設は保護を求める猫でいっぱい。子猫や若い元気な猫は石川県で譲渡先が見つかるが、病気があったり年老いたりした猫はなかなか見つからない」と語る。

 団体は、行き先が決まらない猫を引き取り、病気の猫には駆虫や治療を施す。人慣れしていない猫はシェルターで訓練をして譲渡できるようにする。これまで連れてきた中には、病気や身体に欠損のある猫もいた。治療やシェルター運営などで月200万円以上かかるという。

 団体は2月に受け入れを開始。これまでに25匹を引き受け、18匹は譲渡先が決まった。その中の1匹はタレントのいとうまい子さんが引き取った。11歳の白猫のツナ(オス)で、心臓に持病を抱えていた。

 もとの飼い主は、先の見えない避難生活の中で泣く泣く手放したという。いとうさんは「もしも短い命であったとしても、最後の時まで我が家で幸せに過ごさせてあげたい。一緒に暮らし、たくさんの癒やしをもらっています」と団体にメッセージを寄せた。

 CFの目標額は850万円で募集は10月30日まで。返礼品はお礼のメールや活動報告など、金額によって複数用意している。申し込みは団体のサイトから。

 猫の譲渡会は月2回、千代田区神田神保町2の6の同会のシェルターで開催。次回は23日午後1~5時に開く。これまで譲渡した猫は8カ月~11歳。香取さんは「被災地の現状、猫の状況などを多くの人に知ってもらい、人も猫も支えてほしい」と話している。