介護者の4人に1人が”介護うつ”。認知症の人も、介護者も助けるデイサービスとは?

AI要約

認知症の人には、認知症対応型通所介護が適している。施設は自宅から通う小規模なもので、家庭的な雰囲気が特徴。

利用条件は認知症と診断されていることであり、料金は一般のデイサービスよりもやや高め。要支援でも認知症の場合、介護予防の利用が可能。

プログラムよりも本人の過ごしやすさが重視され、思い出療法など工夫されたレクリエーションが提供されている。

介護者の4人に1人が”介護うつ”。認知症の人も、介護者も助けるデイサービスとは?

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認知症のある人には、一般の通所介護(デイサービス)では施設が対応していないことや、本人がなじめないことがあります。「認知症対応型通所介護」は、認知症の人に限定したサービスです。

自宅から通う施設は3タイプありますが、いずれも定員12人以下と小規模。家庭的な雰囲気で過ごすことができます。

利用の条件は、認知症と診断されていることです。市区町村によっては、自立や歩行、排泄など日常生活を送ることができるかどうかをみる「認知症高齢者の日常生活自立度」を確認します。

地域密着型サービスなので、そのほかの利用条件や料金は一様ではありません。しかし、一般のデイサービスよりも料金はやや高めです。

※要支援でも認知症と診断されていれば、介護予防を目的とした利用ができます。

■認知症の人に限定したケア

プログラムをこなすというより、本人が過ごしやすいことが重視されます。レクリエーションには、一般の通所介護(デイサービス)にはみられないような工夫がされています。

例えば、認知症の人は昔のことはよく覚えていたりするので、昔の道具やおもちゃなど懐かしくなるようなものが用意されています。これは「思い出療法」といいます。

【利用ポイント】

・認知機能は低下していても、感情はあります。本人が楽しく通える施設を選びたいもの。なじみの人ができることも、通いつづけられる動機になるでしょう。

・介護保険制度では、介護する人・される人を地域で支えることを目指しています。認知症の人が増えている現代、「認知症対応型通所介護」は、今後、認知症の人を地域で支えていくための切り札となるサービスとして期待されます。