【闘病】「⼤腸がん」は他⼈事じゃない 人一倍健康自慢の40代女性は無自覚でもステージ3a

AI要約

栗山さんは、2023年に大腸がんと診断され、手術と抗がん剤治療を経験。大腸がん検診を受けるきっかけや告知後の心境、治療経過などを通して、健康や人生の大切さを痛感。

仕事柄の医療保険見直しを機に大腸がん検診を受け、疑いが指摘された栗山さん。受診の理由や対応、手術や抗がん剤治療までの経過を語る。

告知を受けた心境や生活の変化、健康維持の意識などについても語られる栗山さんの闘病記。

【闘病】「⼤腸がん」は他⼈事じゃない 人一倍健康自慢の40代女性は無自覚でもステージ3a

栗山さん(仮称)は、2023年に大腸がんで手術と抗がん剤治療を経験しました。自身の医療保険見直しをきっかけに大腸がん検診を受けたところ、大腸がんの疑いを指摘されたそうです。病気を通して健康の大切さはもちろん、自分の人生や時間の使い方、身近な人との時間がどれほど大切かを切実に感じたそうです。そんな栗山さんの闘病中の話を聞かせてもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年4月取材。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部:

はじめに、栗山さんが大腸がんと判明した経緯を教えてください。

栗山さん:

私の仕事はスポーツトレーナーで、体力的にも精神的にも過酷なスポーツの現場で、エネルギーレベルが高く、元気に活動していました。実年齢より10歳ほど若いと思っている人もいました。病気が判明する半年前に、20年以上も放置していた医療保険の見直しを行なったことがきっかけで、大腸がん検診に興味を持ちました。

編集部:

興味を持ったとはどういうことですか?

栗山さん:

罹患者数がとても多い病気(厚生労働省によると、大腸がん罹患者は男性なら前立腺がんに次いで多い8万2,809人[15.5%]、女性だと乳がんに次いで多い6万4,915人[15.8%])なのに、受診率が低いと知ったためです。仕事柄、便秘に悩む人に出会うことが多く、食事や運動のアドバイスはしてきたものの、「なぜ症状のある人が検診を受けないのか」と疑問に思いました。私自身は便秘とは無縁の人生を送っていましたが、受けたことがないものを⼈に勧められないと考えました。そこで相談・信頼できる女性の医師を探し、検診を受けてみようと思ったのです。「検診を受けてみたい」と思いながらも、結局受診したのは仕事が落ち着いた半年後でした。

編集部:

検診を受けてから、どのような説明がありましたか?

栗山さん:

近医では「このクリニックで手術可能な⼤きさではないため、ほかの病院に転院する必要があります。内視鏡になるか腹腔鏡になるかは、そちらの先生の判断になります。術後に病理検査を行い、リンパ節転移がなければ治療終了ですが、転移があれば治療は続きます」と説明されました。転院後の大学病院では「CT画像や内視鏡検査で判断する限りは、ステージ1。手術はどちらかというと腹腔鏡手術を勧めます。消化器外科の先生に相談してどちらにするか決めてもいいです」と、消化器外科にも紹介されました。

編集部:

消化器外科ではどのような説明がありましたか?

栗山さん:

消化器外科の主治医からは「腹腔鏡手術を選択する場合は、ロボット支援下で行い、病理検査でリンパ節転移がなければ治療終了です。転移があれば、通院しながらの抗がん剤治療になるでしょう」と説明を受けました。抗がん剤治療の詳細については、病理検査後に標準治療である半年間の治療について説明されました。しかし、ステージ3aの場合は、投与が3か月でも6か月でも有効性は変わらないという内容の海外の医学論⽂を⾒つけ、主治医とも協議したところ、賛同を得られたため、3か月のチャレンジになりました。

編集部:

病名の告知を受けたときの心境はどのようなものでしたか?

栗山さん:

「1日でも早く手術して、体内からがんを取り除きたい」と瞬時に願い、最短日程で手術希望を告げるとともに、術前に⾃分でできるセルフケアと禁忌事項を医師に確認しました。「家族になんて伝えようかな」としばらく悩みましたが、立ち止まって下を向く時間はありませんでした。残りの時間(人生)をどうやって生きたいかを考える機会、健康な体作りについて学び直す機会は、生きてる限り必ず誰にでも訪れるものと思っているので、病気を受け⼊れることに時間はかかりませんでした。とはいえ、手術後の病理検査でステージ1と言われていたものが、リンパ節への転移が認められるステージ3だったとわかった時は、目の前が真っ暗になりました。

編集部:

具体的にはどのような治療が進んだのでしょうか?

栗山さん:

病理検査の結果で大腸がんとなったため、大学病院で消化器内科・外科を受診して精密検査も行いました。精密検査から10日後には入院し、すぐにロボット支援下手術となりました。そして、2週間後の退院直前に病理検査でリンパ節転移のある「ステージ3a」と診断を受けました。手術で治癒(完治)の状態にはなっているものの、標準治療と再発予防に抗がん剤を3か月間投与。最初に大腸がん検診を受けてから、約7か月かかりました。抗がん剤治療では副作用はほぼなく、術後1年を経過した現在もステータスは「治癒」の状態です。

編集部:

告知を受けてから、生活や意識にどのような変化がありましたか?

栗山さん:

1番大切なことは先送りせず、1番最初にやるようになったことです。健康の3原則である運動、栄養、休養も大事にするようになりました。仕事に合わせて睡眠、食事の時間を決めて生活するようになり、体調はみるみる良くなりました。また、身の回りのことも身軽になったと思います。断捨離と終活をスタートしたことで、大好きなものだけに囲まれ、シンプルな生活になりました。人付き合いも整理し、時間を共にしたい人達、大切にしたい人達との時間を増やすため、なんとなく入っていたLINEグループも退会しました。