1560万人が危険性を指摘されるサプリを摂っている!アメリカの大学が調査結果を発表

AI要約

ハーブ系サプリメントの人気が急上昇している中、過去の研究で肝毒性が指摘されているものもある。

ミシガン大学医学大学院の研究チームが6種類のサプリメントについて分析調査を実施し、約5%の人が危険性があるサプリメントを摂取していることが明らかになった。

サプリメント業界にはほとんど規制がなく、製品の成分が正確に記載されていない可能性もあるため、医師らは慎重に監視する必要がある。

1560万人が危険性を指摘されるサプリを摂っている!アメリカの大学が調査結果を発表

TikTokへの投稿で紹介されることが増加している影響もあり、ハーブ系のサプリメントの人気はここ数年、急上昇している。だが、それらの中には過去の研究で、肝毒性がある(肝障害を引き起こす危険性がある)と指摘されているものもある。

ミシガン大学医学大学院の研究チームは(“インドの朝鮮人参”と呼ばれる)アシュワガンダ、緑茶エキス、ターメリック(ウコン)など、そうしたサプリメントのうち6種類について、新たに分析調査を実施した。

※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

研究チームは、アメリカの厚生省が実施している全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)に2017~2020年に参加した成人9500人以上(平均年齢47.5歳)に関するデータを分析。その結果を、米国医師会雑誌(JAMA)のオープンアクセスジャーナル「JAMA ネットワーク・オープン」に発表した。

調査対象としたサプリメントは、肝障害との関連性が指摘されている次の6種類。

・アシュワガンダ

・ブラックコホシュ

・ガルシニア・カンボジア

・緑茶エキス

・紅麴

・ターメリック(ウコン)に含まれるクルクミン

調査の対象とした人のうち約58%は、過去30日以内に「ハーブまたは栄養補助食品を少なくとも1回使用した」と答えていた。また、そのうち約5%は、これら6種類のサプリメントのうち1種類以上を摂取していた。

研究チームはこの結果から、危険性が指摘されているこれらのサプリメントをとっている人は、アメリカにおよそ1560万人いると推計している。

そして論文の中で、「植物由来の製品の製造・試験に対する監視や規制は不十分であり、それらの摂取によって引き起こされる有害事象の可能性を、医師らは認識しておく必要がある」と述べている。

登録栄養士のジェシカ・コーディング氏もまた、アメリカのサプリメント業界にはほとんど規制がなく、製品のラベルには含まれている成分が正確に記載されていない可能性もあると警告している。

研究チームの分析では、「統計的に有意な(誤差の確率が低い)結果が示された」という。だが、それ以上に重要なことは、サプリメントの摂取と肝障害の発生の間に「因果関係」が確認されたわけではないということ。そして、5%の人たちが、過去の研究で危険性があるとの結果が示された6種類のサプリメントを摂取していたということだ。