スマホ店にEV、トラックもHV、駐車場はQR決済…。北京のクルマ10大ニュース

AI要約

北京の最新クルマ事情や街のデジタル化・EV化の進化が驚くほど進んでいることを報告。

18年ぶりに訪れた北京では静かでクリーンな街並みが印象的で、電動化とハイブリッド化の影響を感じる。

北京の空気のきれいさや騒音の少なさから、日本の未来を先取りする形としての北京の姿が垣間見える。

スマホ店にEV、トラックもHV、駐車場はQR決済…。北京のクルマ10大ニュース

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(BE-PAL選出)の金子浩久が北京の最新クルマ事情をリポート。中国では街づくりを含めたデジタル化・EV化が思っている以上に進化していて、駐車場もQRコード決済が当たり前。モーターショーでは報道の進化に驚かされました。北京の現状は日本の近未来を先取りしているのでしょうか?

久しぶりに北京モーターショーを取材に出掛け、その盛況ぶりに驚かされました。でも、その驚きはモーターショー会場だけに収まってはいなかったのです。空港から中心部のホテルへタクシーで走った高速道路と一般道、ホテル、街中、ショッピングモール、レストランやラーメン屋など、日本では見られない新しいクルマの使い方と使われ方がいたるところに溢れていたのでした。驚きの数々を10のスケッチ風にまとめてみました。

コロナ前の上海には毎年のように通っていましたが、北京を訪れるのは18年ぶりでした。深夜に到着した翌朝のホテルを出て、街を歩いての最初の感想は、“空気がきれいになった”ことです。

街ぜんたいがボヤッと見えることがなく、遠くまでもクッキリ見えます。排ガスの匂いも臭くありません。咳き込んだり、喉の奥にタンがまとわり付くようなこともありません。それだけ昔はヒドかったということなのですが、みごとに一新されていました。

上海でも感じていたことですが、街が静かになってもいました。それもこれも、中国を代表する北京と上海という大都市では、それまで雲霞のごとく走り回っていたスクーターや小型バイクなどが電動化され、バスやトラックなども(プラグイン)ハイブリッド化されていることが大きいのだと思います。

排ガスは出ないし、騒音も発生しません。つねに騒々しく、空が霞んでいた街が、電動化によって静かに、クリーンになっていたのです。毎日そこで暮らしている人々には感じられにくいでしょうが、18年ぶりの北京はあまりにクッキリと変わっていました。

北京在住の知人に聞けば、“18年前だったら、確かにそうだった”とのことです。電動スクーターやバイクは、行政が普及を促すために免許が不要とされたそうです。日本のモーター付き自転車(電動アシスト自転車)に似ていますね。静かで滑らかで、ガソリンスタンドに行かずに済むのならば、みんな一斉に乗り換えるのも当然でしよう。

バスやトラックなどは発電の必要からなのか、エンジンを掛けながら走っているものもあるようです。しかし、以前の騒音や盛大なモクモクなどは見掛けませんでした。

北京の街は大きく、片側5車線以上は当たり前で中には10車線あるような広い道もあり、クルマは満ちていても、人間の大きさは日本人も中国人も変わりません。キレイになった北京の空気に触れて、電動化やハイブリッド化の効果がとても大きなことを知らされました。