ふるさと納税はもうお得じゃない!? 制度改正で何が変わったのか、お金の専門家が解説

AI要約

ふるさと納税の制度改正により、お得度が減少し、2025年にはさらなる改正が予定されている。

現行制度の変更点として、寄付額に占める経費の割合や返礼品の制限が厳格化されたことが挙げられる。

2025年の改正では、寄付者へのポイント付与を仲介サイトを通じて禁止することが決定されており、議論が広がっている。

ふるさと納税はもうお得じゃない!? 制度改正で何が変わったのか、お金の専門家が解説

ふるさと納税の制度が2023年、2024年と改正され、お得度が減ったという声が多く聞かれます。節約アドバイザーの丸山晴美さんは「今後ふるさと納税をどう活用するか、改めて考えるタイミングに来ているのでは」と言います。制度改正で変わるポイントと、私たちが考えるべきことについて聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年8月時点の取材情報を基にしています。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ふるさと納税はどう変わる?」!

2024年6月、総務省がふるさと納税の制度改正を発表しました。内容の一部は、2023年の改正をさらに厳格にしたもの。そこで、2023年の改正の内容をおさらいしつつ、制度改正の内容を見ていきましょう。

ふるさと納税は注目を引く返礼品を出そうとする自治体と、それを規制しようとする総務省との間で、いたちごっこのような攻防が繰り広げられてきました。その理由は後ほど解説しますが、そのため昨年の2023年10月、以下の2点の制度改正が行われました。

1つは「熟成肉や精米は、都道府県内産に限る」というもの。例えば、オーストラリアから輸入した牛肉は、県内の工場で熟成させたものだとしても返礼品にするのはNG、ということです。

同時に「ドカ盛り」「コスパ最強」「お得」「圧倒的なボリューム」などのうたい文句をつけることも、「適切な寄附先の選択を阻害するような表現」として禁止されました。

もう1つの変更点は「寄附額に占める経費の割合」です。返礼品の原価は寄付額の3割以内、郵送費などの事務手数料を含めた場合は5割以内におさめることが決められました。

2024年10月からの制度改正では、再び「ドカ盛り」「コスパ最強」など返礼品を強調した宣伝広告の禁止が盛り込まれており、今回はそれに加えて、新聞・テレビ・Webなどでの返礼品を強調した広告やメルマガも禁止に。寄付金額の引き下げや個数の増量といったキャンペーンもNGなど、ルールが厳格化されました。

他にも、1人1泊5万円を超える宿泊施設の利用券を返礼品にする場合は、原則、同じ都道府県内で営業している施設に限るよう見直されます。

中でも今回騒がれているのが、2025年10月に予定をされているポイントに関する改正です。

現在は「さとふる」や「楽天ふるさと納税」などのふるさと納税サイトを通して寄付をすると、サイト独自のポイントが付与されますが、来年10月以降は寄付者に独自のポイントを付与する仲介サイトを通じた寄付募集を禁止することが発表されたのです。

理由は、各自治体がふるさと納税サイトに仲介手数料を支払っているため。総務省は「各サイトがポイント付与をしなければ仲介手数料が減り、各自治体で使える資金が増えるのではないか」との見解を出しています。

これに対し、楽天ふるさと納税では「各地域の自律的努力を無力化するもの」として撤回を求め、現在ネットで反対署名運動をしています。