生まれつき“片手をもたない”天才バイオリニスト(41)、人生を変えた音楽との出会いを語る。「リコーダーで最初の壁にぶつかった」

AI要約

生まれつき右手と右前腕のほとんどを持たないバイオリニスト、エイドリアン・アナンタワンさんの音楽活動について。

アナンタワンさんがバイオリンと出会い、音楽に対する情熱を持った経緯。

アナンタワンさんの活動を通して障害を持つ人たちへのインクルージョンとアクセスの重要性について。

生まれつき“片手をもたない”天才バイオリニスト(41)、人生を変えた音楽との出会いを語る。「リコーダーで最初の壁にぶつかった」

オリンピックやホワイトハウス、国連など、さまざまな場所でパフォーマンスをしてきたバイオリニストのエイドリアン・アナンタワンさん。生まれつき右手と右前腕のほとんどをもたないアナンタワンさんは先日、音楽を通して届けたい想いについて熱く語った。

バークリー音楽大学の准教授としても活躍するエイドリアン・アナンタワンさんが、バイオリンと出会ったのは小学5年生のとき。

当時音楽の教師が生徒全員にリコーダーを学ばせようとしたとき、生まれつき右手と右前腕のほとんどをもたない彼は、音楽に対する最初の壁にぶつかったという。リコーダーは諦めることになったものの、音楽の才能を伸ばすため、両親と一緒に別の楽器を探してみることに。

そこで出会ったのがバイオリンだった。アナンタワンさんはバイオリンを習うことになり、家族はトロントの病院に連絡を取って弓を持てるようにするためのギプスの製作を依頼した。ギプスをつけて最初の音を奏でたときのことを、彼は『Good Morning America』に対し以下のように振り返っている。

「最初に一音弾いた時から、音と自分の身体と楽器が通ずる一体感、そして自分のイマジネーションを表現できることにすごく惹かれました」。

現在プロのバイオリニストとして活躍するアナンタワンさんは、自身や他の障害をもつ人たちが音楽にアクセスできる現代技術に感謝しながらも、インクルージョンとアクセスにおいて最も重要なのは、教師や支援者、そして若い生徒や音楽家に対し「何でもできる」と励ます人々の姿勢だと語っている。

現在はそのような環境を提供するための活動もしており、バークリー音楽大学では新たに「音楽育成プログラム」を設立。障害をもつ学生たちが放課後にオーケストラとして演奏できるよう支援をしているとのこと。アナンタワンさんは『WGBH』の取材に対し、「違いのある音楽家が一緒に演奏すればするほど、私たちの声をより増幅させ、文化をポジティブな方向に変えていくことができる」とコメントしている。