総裁選に出馬表明の小林鷹之氏やたら強調も…育った家庭は全然「普通」じゃなかった

AI要約

小林鷹之前経済安保相は、自身の出自を強調しており、普通のサラリーマン家庭で育ったとアピールしているが、実際には中流以上の家庭で育った経歴が明らかになっている。

小林氏の父は会社の社長であり、小林氏自身も社長の長男として成長し、東大に合格した経緯がある。しかし、父の会社が倒産し、小林氏は苦労を経験した後に再びキャリアを築き上げ、成功を収めた。

普通のサラリーマン家庭というアピールに疑問符がつく小林氏の出自について、詳細が明らかにされている。

総裁選に出馬表明の小林鷹之氏やたら強調も…育った家庭は全然「普通」じゃなかった

「普通のサラリーマン家庭で育った」──小林鷹之前経済安保相(49)が、やたらに自分の出自を強調している。自民党総裁選に一番乗りで正式に出馬表明した19日の会見や、出演した民放番組、HPのプロフィルでも「サラリーマン家庭の長男」を猛アピールだ。

 とはいえ、1974年生まれの小林氏は、小学校こそ千葉県浦安市内の公立校に通ったが、中学・高校は東京の名門私立の開成に進学。東大法学部を卒業後、旧大蔵省に入省し、在籍時は米ハーバード大に留学--就職氷河期の「ロスジェネ」世代の中で、ピカピカのエリート街道を歩んだ。

「普通の家庭を繰り返すのは『世襲』の小泉進次郎元環境相や河野太郎デジタル相ら、他の総裁候補との違いを際立たせるため」(自民党関係者)

 そもそも、中学から都内の私立校に通わせている時点で、普通と言うよりも「中流より上」の家庭な気もする。調べてみると、やはり「普通」じゃなかった。

■東大合格時は「社長の長男」

 2015年に73歳で他界した小林氏の父・泰芳さんは香川県三豊市出身。地元の公立高校を出て、大学卒業後に中堅総合商社「大倉商事」に就職した。同じ香川出身の女性と結婚。小林氏を授かると、80年代にはインドネシアの首都ジャカルタに駐在し、木材調達を担うなど順調にキャリアを重ね、94年4月にはグループ会社「カナダ大倉」の社長に就いた。「社長の長男」となった小林氏が1年間の仮面浪人後、東大に合格したのもこの年だ。

 しかし、98年に転機が訪れる。大倉商事が不動産開発の失敗などで経営が悪化し、倒産したのだ。泰芳さんは56歳。小林氏は4年時に留年し、まだ東大在学中だった。

「人生の憂き目に遭った泰芳さんですが、00年には都内の老舗建材メーカー『ノダ』に再就職。商社マン時代の経験がモノをいったのか、いきなり貿易事業部長を任され、02年には取締役に出世しています」(知人)

 ノダは従業員1000人超の上場企業だ。08年に泰芳さんは常任監査役に就き、12年に退社した。キャリアの崖っぷちからV字回復を果たしたコバホークの父は、決して「普通のサラリーマン」ではない。