【今さら聞けない虫よけ選びの常識】効き具合は「有効成分」と「配合率」で見分けるって、知ってた?

AI要約

「虫よけスプレー」の選び方について解説。有効成分と配合率の重要性を強調。

ディートやイカリジンなどの有効成分の違いと特徴について説明。

子どもへの影響や効果の持続時間など、虫除けスプレーの使い方の注意点について触れる。

【今さら聞けない虫よけ選びの常識】効き具合は「有効成分」と「配合率」で見分けるって、知ってた?

 みなさん「虫よけスプレー」は、なにを基準に選んでいるでしょうか。

 ブランド名? パッケージのデザイン? それとも値段?

 いろいろな理由があると思いますが、虫の多いアウトドアで遊ぶなら「有効成分」とその「配合率」を意識して、虫除けスプレーを選ぶのが正解です。

 その理由を解説していきましょう。

 まず、パッケージの裏の成分表にご注目いただきたい。製品それぞれ、必ず使用されている有効成分(虫に対する忌避効果のある成分)が表記されています。

 代表的な有効成分は大きく2種類に分けられます。もっともよく使われている有効成分は「ディート」なるもの。これはベトナム戦争時に、ジャングルにおけるマラリア感染防止のため、米軍によって開発された成分。もう、開発理由だけでも効きそうでしょう?

 成分表をさらによく見ると、製品ごとに有効成分の「配合率」が異なることに気がつくでしょう。ディートは体への影響を考慮して、日本国内では2016年まで12%が上限とされていましたが、現在は最高濃度が30%に定められています。

 蚊の多いアウトドア環境で使うなら、配合率が高いものがおすすめです。濃度が薄くても忌避効果の強さは同じですが、違いは効果の持続時間に現れます。濃度が高ければ、何度も塗り直す手間が減るというわけです。裏を返せば、濃度が低い製品でもまめに塗り直せば、同様の効果を得ることができます。

 ただし、ディートは体への影響が強い成分で、濃度が高い製品は子どもへの使用が制限されています(濃度30%のものは12歳以上のみ使用可。その他、濃度によって年齢ごとに制限あり)。顔への使用は控え、外出から帰ったら早めに洗い流すなど、製品ごとに定められている用法と容量を守って使うと安心安全です。

 そんな話を聞いちゃうと、うちは子どももいるし、よく使うし、ちょっと不安……と思った方には、もう1つの有効成分「イカリジン」を使った製品もおすすめ。

 ディートに比べると、半分ほどの濃度で同等の効果が得られ、体に優しいことが特徴のニューフェイスです(国内では平成28年から製品化開始)。こちらは年齢や使用回数に制限はなく、子どもにも安心して使うことができます。今後はディートに代わる有効成分の主役になるかもしれません。

 ディートと同じく、配合率が高い方が効果の持続時間が長いので、購入前に成分表をよく確認しましょう。ディートよりも対象となる虫の種類が少ないので、使用環境によってディートと使い分けるのも手だと思います。

 虫除けスプレーはもちろん、蚊取り線香を焚いたり、ワンプッシュ系の虫除けを導入したり、長袖やソックスを履いてできるだけ肌の露出を減らすなど、虫除け対策は合わせ技こそが効果を発揮しやすくなります。

 正しい知識を身につけて、快適なアウトドアライフを楽しみましょう。

BRAVO MOUNTAIN編集部

登山、スキー、キャンプなど、幅広いジャンルの外遊びに精通した多彩なライター陣が贈るアウトドア情報サイト『BRAVO MOUNTAIN』(ブラボーマウンテン)双葉社刊行のスキー誌『BRAVOSKI』やアウトドア誌『soto』の厳選記事も掲載。人気の山域紹介や注目ギアの使い方など、山にまつわる魅力溢れたコンテンツを展開します。