努力より運を信じる人ほど、実は不幸になりやすい…リハビリで高い効果を上げられる人の共通点

AI要約

運頼みと実力主義は、幸せに生きられるかについて行動経済学の視点から考察されている。

内的統制と外的統制についての説明を通じて、努力と運の関係を考える手がかりを得る。

自己認識を測るI-E尺度を用いて、自分の統制の所在を知ることができる。

運頼みと実力主義は、どっちが幸せに生きられるか。行動経済学のコンサルティングを行う山根承子さんは「ある研究では、低所得であっても『自分の力が結果に関係する』という内的統制の強い人はあまり不幸を感じていないという結果が出ている。また、リハビリ開始時の内的統制が強い人ほど、リハビリ後の自立度が向上した。一方、『全ては運で決まる』と思っている外的統制の強い人は実際にあまり努力をしないことが明らかになっている」という――。

 ※本稿は、山根承子『努力は仕組み化できる』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■「運頼み」と「努力嫌い」――表と裏から考える

 「努力」に影響していそうな価値観や個人特性はたくさんあります。

 例えば、自分の力でどのくらい結果を左右できると思っているかによって、努力の程度は変わってきそうではないでしょうか。

 「結局は運で決まる」と思っている人は、あまり努力しようとはしないでしょう。逆に「全ては自分次第だ」という考えの人は、努力を惜しまないでしょう。

 本稿では「運」について考えることで、「努力」を反対側から見ていくことにしましょう。

 「物事は自分の力で決まるか、運で決まるか」、あなたはどう考えていますか? 心理学ではこれを「統制の所在(LOC :Locus of Control)」と呼びます。そして、自分の能力や技能によって物事の原因をコントロールできるという考え方を「内的統制(Internal Control)」、逆に原因が運や他者などの要因で決まるという考え方を「外的統制(External Control)」といいます。

 あなたの考え方が、実力重視(内的統制)なのか運重視(外的統制)なのかを、「I-E尺度(Internal-External Scale)」というテストで測ることができます。

 さっそくやってみることにしましょう。