小京都・津和野で必ず行きたい。100年続く茶舗〈香味園 上領茶舗〉
津和野に新たな寛ぎの場が誕生した。古い商店建築をリノベーションしたカフェは、瑠美さんとアドリエンさん夫妻が経営。豊かな自然に囲まれた空間で、100年続く茶舗の伝統を受け継ぎ、津和野らしいティザンヌやスイーツを提供している。
瑠美さんは津和野の文化に親しんできた経歴を持ち、家族が守ってきた茶舗の伝統を大切にしている。一方、アドリエンさんは南仏のティザンヌに触発され、津和野の「ざら茶」をベースにしたハーブティーを展開している。
カフェは城下町の通りに位置し、石畳や風情ある建物と調和した和洋折衷の雰囲気が漂う。ワークショップも充実しており、オリジナルのブレンド茶を体験することもできる。
小京都・津和野で100年続く茶舗を受け継いだ瑠美さんとアドリエンさん夫妻。日仏を源流にもつカフェ〈香味園 上領茶舗〉を紹介します。
豊かな緑に抱かれた津和野に、新たな寛ぎの場が誕生したのは2023年春のこと。戦前の商店建築をリノベーションした空間は天井が高くのびやか。やわらかなRを描くカウンターは建物の形状と呼応して端正な表情を醸し出す。
ここで茶舗とカフェを営むのは、瑠美さんとアドリエンさん夫妻。瑠美さんは大阪で生まれ育ったが、幼い頃から父方のルーツである津和野の文化に親しんできた。この一帯で藩政時代から飲まれている「ざら茶」もそのひとつだ。漢方では生薬とされるカワラケツメイを焙じたもので、かつては家々で作られ、家族の健康を守ってきた。
妻の曽祖父が創業し祖父が守ってきた茶舗を訪れて故郷・南仏のティザンヌを思い起こしたのがアドリエンさん。ドライハーブや花、果実、スパイスを抽出したティザンヌも「ざら茶」同様、ノンカフェイン。暮らしの中で親しまれてきた伝統の食文化だ。そこで「ざら茶」をベースに様々なハーブをブレンドした津和野ならではのティザンヌを開発し、100年続く茶舗を受け継ぐに至った。
ほんのり甘く香ばしい「ざら茶」は、リンゴやシナモン、ローズ、柑橘など天然の素材と相性抜群。「ざら茶」パウダーを使ったバスクチーズケーキやカヌレも見逃せない。
お店は、古い商家や酒蔵が続く城下町の通りにある。黒御影石の石畳が醸す風情に、和洋折衷の建物が不思議となじむ。
住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ263
TEL:0856-72-0266
営業時間:10:00~17:00
定休日:日月祝休
席数:20席
体調や気分に合わせてオリジナルのブレンド茶を作るワークショップも人気。