「お客様じゃないんだから遊んでないで手伝えよ」いつもは下僕キャラの夫が、帰省先でキャラ変。亭主関白ごっこに付き合わされる妻がとった「衝撃の行動」

AI要約

夏休み・お盆休みには実家に帰省するというご家庭も多いが、帰省が憂鬱な理由は様々で、義実家で夫が別人格になることがストレスになるケースもある。

実家での夫の態度変化については、過去の自分を親に見せることへの心理的プレッシャーが影響している可能性がある。夫は意識的に妻の心身をサポートする言動を心がけることが大切。

記事では、夫婦の帰省時のトラブルについて、義実家でエラそうな態度になる夫についての事例を取り上げている。

「お客様じゃないんだから遊んでないで手伝えよ」いつもは下僕キャラの夫が、帰省先でキャラ変。亭主関白ごっこに付き合わされる妻がとった「衝撃の行動」

夏休み・お盆休みには実家に帰省するというご家庭も多かろうが、このイベント、楽しみにしている人ばかりではないというのが実情だ。

帰省が憂鬱な理由はいろいろだが、義両親や親戚との関わりだけでなく、「義実家で夫の態度が変わる」「夫から自分への気遣いがない」という不満を挙げる妻は少なくない。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、夫が実家でキャラ変する背景について、こう指摘する。

「古巣である実家は、過去の自分を知る場所です。帰省でのキャラ変は、現在の家庭での優しい夫・パパの顔を素直に親に見せられないといった心理がそうさせている可能性もありますよね。

しかし、悪気のあるなしにかかわらず、実家で妻に対して大きな態度に出てしまうという自覚のある方は、できるだけ意識的に妻の心身をサポートする言動を心がけてみましょう。

妻の実家へ帰省する際は、妻の側も同じように気遣いを。言動ひとつで、パートナーの帰省に対するストレスが軽減できることもあるのです」

帰省時の夫婦間トラブルについて取材を試みたなかで、今回は「盆暮れの帰省でいつも夫が『エラそうなご主人様』にキャラ変することが耐えられない」という女性の話を記事にまとめた。

「今年も当たり前のように夫婦の夏季休暇に合わせて義実家に帰省することが決まっています。私の実家へはどこかの週末、夫抜きで子どもたちと行くというのがわが家の暗黙のルールです」

こう話し始めたのは41歳の堀口かんなさん(仮名)。SNSでたまに夫の愚痴をこぼしてしまうことがあるという会社員である。

「義実家に足を踏み入れるやいなや、夫は別人格になります。これ、大げさじゃなくて本当なんです」

日頃の夫婦はケンカも多い代わりに対等な関係を築けており、家事はあまり得意ではないが仕事熱心で子煩悩な夫を愛する気持ちも、かんなさん自身は持ち続けているという。しかし……

「実家に戻った瞬間から、ナゾの亭主関白キャラに変身します。いつもはお喋りなのに、寡黙になるのも特徴的ですね」

日常生活においては、呼んでもいないのにキッチンで作業中のかんなさんの元へやってきて、会社で起きた出来事やネットニュースで得た時事ネタなどについてさかんにお喋りしてくるという夫。

「実家に帰ると、まったくなんです。これは結婚してからすぐにわかったことなんですけど、モヤモヤしつつも、慣れてしまったというのがあります」

かんなさん夫婦は結婚9年目。保育園と小学校低学年の子どもがおり、コロナ禍を経て本格的にお盆の帰省を再開したのは昨年のことだったという。

「久々の帰省で、『ああ、そういえば、うちの夫は帰省するとこんな感じになるんだったわ』と思い出しました。リビングとか座敷に座って、テレビや新聞を見たり、お義父さんや親戚のおっちゃんと酒を飲む、みたいな感じ」

その言動は終始一貫「亭主関白風」だそうだ。

「いつもは結構気遣いの人です。俺は料理ができないから、かんなちゃんのためにフルーチェ作ってあげるね、とか。下僕キャラというか、驚くほど優しいこともある」

普段の夫はかんなさんを「ちゃん」呼び。子どものこともよく可愛がりつつ、妻への愛情表現やプレゼントなども欠かさない。

「日頃から少し俺様なところがある人なら理解できるのですが、『この人、メンタル大丈夫?』と思うほど義実家では180度キャラ変します」

☆後編では、義実家における謎の「夫優位ごっこ」のさらなる詳細と、帰宅後かんなさんが夫にその真意を聞いてみた結果についてお伝えする。

取材/文:中小林亜紀

PHOTO:Getty Images