ポンペイで男女2体の遺骨発見 硬貨や宝石と共に

AI要約

古代ローマの都市ポンペイで発掘された男女の遺骨と遺物。遺骨からは貴重な人類学的データが得られ、当時の生活に関する情報が解明されつつある。

遺骨は小さな寝室で発見され、女性は金銀銅の硬貨や貴重な宝石を持っていた。部屋にはベッドやテーブル、さまざまな遺物が残されていた。

男女は火山噴火時に軽石で部屋に閉じ込められ、火砕流によって死亡したと考古学者らは結論づけている。

ローマ(CNN) 紀元79年に起きたベスビオ火山の噴火で埋まった古代ローマの都市ポンペイで、男女1体ずつの遺骨が新たに発掘された。彼らが所有していた硬貨や貴重な宝石も合わせて出土したと、考古学者らが明らかにした。

今回の区画の発掘では、古代の建物や遺物が数多く見つかった。具体的にはパンの製造所、改修中の家屋、精巧な絵画で飾られた複数の部屋などだ。

ベスビオ火山噴火当時のポンペイには2万人前後が住んでいたとみられる。最新の発見を受け、被災前の現地での暮らしがどのようなものだったかについて一段の詳細が明らかになった。

上記の遺骨が見つかった小さな寝室は、住人の一時的な寝場所として使われていた。本来の大きな家屋が改修中だったためだと遺骨を発掘した考古学者らは指摘する。

ベッドにいた女性は金、銀、銅の硬貨と、金並びに真珠のイヤリングを握りしめていた。「この部屋を避難場所に選んだ2人の人物は、軽石が降り止むのを待っていた。軽石は数時間かけて、家の他の場所を徐々に埋め尽くしていった」。考古学者らが声明でそう述べた。

扉が閉まっていたため軽石が部屋に入ってくることはなかったが、中に閉じ込められた男女は火砕流にのみ込まれて死亡したと考古学者らはみている。

部屋には木製のベッドにスツール、大理石を使ったテーブルも置かれていた。テーブルの上には青銅やガラス、陶製の遺物がそのまま残り、床からは大きな銅製の枝付き燭台(しょくだい)も見つかった。

男女の遺骨に関連する貴重な人類学的データの分析を通じ、当時のポンペイでの日常生活にまつわる相当量の情報が得られると、研究者らは期待を寄せている。