「夏のパンツの中のニオイが気になる」お悩みに、4つの原因と解決法を医師が回答!

AI要約

夏のパンツの中のニオイについて、婦人科医が解説。洗い過ぎや汗腺、生理などの原因と対策を紹介。

洗い過ぎが反対効果を招き、汗腺のニオイや生理の経血も原因。適切なケアが重要。

膣周辺の洗い方や汗ふきシートの活用など、デリケートゾーンのニオイ対策のポイントを紹介。

「夏のパンツの中のニオイが気になる」お悩みに、4つの原因と解決法を医師が回答!

人と話しづらいからこそ気になる「パンツの中の衛生問題」。読者のお悩みや素朴な疑問に人気婦人科専門医がお答えします! 今回は、「夏のパンツの中のニオイ」について聞きました。

「夏になると、服を着ていてもおりもののニオイがムワッとあがってくるような気がします。生理中も、『あ、血のニオイがする!』と気付くほどで、会議中など長時間動けないときなどが地獄です」(マスコミ・38歳)

「夏だけデリケートゾーンのニオイが気になります。汗っかきなのも関係しているのでしょうか? ワキ汗はボトックスで対処しているのですが、デリケートゾーン周辺はどうしたらいいのかわからず、困っています。汗かきで蒸れるので、テレワークの日はノーパンで過ごそうかとも思い始めています」(公務員・30歳)

■医師がお答え!

【監修】産婦人科医・神谷町WGレディースクリニック院長

尾西芳子先生

産婦人科医。日本赤十字社医療センター、済生会中津病院、都内クリニックで副院長を経て、2023年春、神谷町WGレディースクリニックを開業。すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで日々診察を行う。

「ニオイの由来はさまざま。原因別の対処法を試すのが効果的です。デリケートゾーンのニオイの4種類の原因を解説していきます」(尾西先生、以下同)

■ニオイの原因①膣周辺の洗い過ぎ

「一つ目は膣周辺の洗い過ぎ。清潔志向で洗い過ぎの人ほど、デリケートゾーンのニオイが強くなる傾向があります。通常ですと、膣の中では、ニオイを発生させる悪い菌を常在菌がやっつけています。ですが、デリケートゾーンを洗い過ぎると常在菌が死んでしまい、代わりにニオイを発生させる悪い菌が増えます。結果的に、ニオイを気にして洗えば洗うほど余計ニオイが酷くなる可能性があるのです。常在菌は酸性で、酸っぱいようなニオイがするもの。その状態をキープするべく、膣の中は石けんで洗わないことです。膣は水やお湯で洗い流す頻度も少なめのほうが、ニオイは増えません」

■ニオイの原因②デリケートゾーンにあるアポクリン汗腺

「二つ目は、デリケートゾーンの外側、粘膜以外の部分から出る汗のニオイ。ワキと同じアポクリン汗腺があり、そこから出る汗のニオイが気になっているケースもあるのです。ワキのニオイ対策には抗菌剤を使えるのですが、外陰部に抗菌成分の入った石けんなどを使うと、一時的に効果はあっても症状がぶり返し、繰り返すようになるためオススメしていません。汗が出る部分は蒸れることで雑菌が増えてニオイがきつくなるので、蒸れないようにショーツを交換したり、デリケートゾーン用シートで汗を拭く、ふんどしショーツやシルクのショーツをはくなどの対策がオススメです。質問者さんのアイデアのように、ノーパンで過ごすのは蒸れ対策としては最高だと思います」

■ニオイの原因③肛門まわりの便

「三つ目は、脚の付け根である鼠径部のニオイ。ショーツの中は、おりものの酸っぱいニオイや、肛門まわりの便のニオイなどがミックスされているのが通常ですが、夏はそこに鼠径部の汗のニオイも混じってニオイが強くなるケースも多いです。ですから、鼠径部の汗を汗ふきシートなどで拭くだけでも、だいぶニオイはやわらぎます。また、ニオイがきつい肛門まわりをデリケートゾーンにも使える刺激の弱いシートなどで拭くことからチャレンジしてもいいでしょう」

■ニオイの原因④生理の経血

「四つ目は、生理の経血が原因のニオイ。経血が出ていると雑菌が繁殖しますので、どうしてもニオイがきつくなりがちです。3時間に1回はナプキンなどを交換するとよいでしょう」

4つのポイントをおさえることで、夏のデリケートゾーンも爽やかに!

取材・文/櫻木えみ