平均年齢69歳、eスポーツの世界に挑むプロチーム「この年で感情揺り動かされる」 これから 100歳時代の歩き方

AI要約

秋田県で高齢者プロゲーミングチーム「マタギスナイパーズ」が活躍する話。

地元のIT企業が支援し、高齢者が集まり令和3年9月に発足。

メンバーはゲーム好きな高齢者で、認知機能の維持や健康のために活動。

平均年齢69歳、eスポーツの世界に挑むプロチーム「この年で感情揺り動かされる」 これから 100歳時代の歩き方

コンピューターゲームを使って対戦し、勝ち負けを競う「eスポーツ」。この若者に人気の分野で、高齢者のプロチームが世界を目指し、厳しい練習に励んでいる。全国で最も高齢化が進む秋田県で、地元のIT企業が後押しするシニアプロチーム「MATAGI SNIPERS(マタギスナイパーズ)」だ。活動拠点を訪ねると、年齢を意識させない活気であふれていた。

東京から新幹線で約4時間。彼らの拠点はJR秋田駅(秋田市)近くの雑居ビルの一室にあった。扉を開けると室内には何台ものパソコンが並び、チームを組んだ高齢の男女5人が画面と向き合っている。真剣勝負の緊張感が漂う。

彼らが挑んでいたのは、インターネットでつながる相手チーム5人と対戦する戦闘ゲームだ。画面上では各自がスナイパーとなって戦う。室内にいた5人は画面上でライフル銃などを手に、声を掛け合いながら相手を追い詰め、見事な連携で制圧した。

■孫にも一目置かれる存在

マタギスナイパーズは令和3年9月に発足した。秋田をはじめとする東北などで伝統的な手法で集団狩猟を行うマタギの名を借り、現在のメンバーは10人だ。

秋田県は高齢化率(65歳以上の人口の割合)が5年現在で39.0%と全国で最も高い。地元IT企業「エスツー」が「若者にはやっていることを高齢者が一生懸命やれば、街全体の活気につながるのでは」と企画。「孫にも一目置かれる存在」をスローガンに、発足当初は65歳以上、現在は60歳以上を対象に選手を募ってきた。

メンバーの一人、ゲーム上で«ひろBoo»と名乗る男性(65)はゲーム好きで、定年を機に応募した。«CaitSith(ケットシー)》と名乗る女性(73)も、喫茶店のインベーダーゲームを自宅で楽しむために購入を考えたほどのゲーム好きで、SNS(交流サイト)で募集を知り、参画した。

«mark25»を名乗る男性(68)は退職後の人生を思い描いていたとき、妻から募集の話を聞いた。「家でゴロゴロしているより健康的だろう」と、最初は趣味程度に考えて始めたが、次第に没頭。「今や生活がeスポーツ一色になった」と話す。

■認知機能の維持や改善