【猛暑対策、これってウソ?ホント?】「カフェインを飲むと脱水が進む」は、実はよくある勘違い…!?

AI要約

カフェインによる利尿作用は実際には脱水を引き起こさない。

暑い日に熱い食べ物を摂取しても、体温を大きく下げる効果はない。

木陰は一時的な暑さしのぎになり得るが、クーラーの効いた場所がより効果的。

【猛暑対策、これってウソ?ホント?】「カフェインを飲むと脱水が進む」は、実はよくある勘違い…!?

あまりの暑さに、身の危険を感じるほどの日本の夏。誰もが何かしらの暑さ対策をしていると思いますが、よく耳にする知識には、実は間違ったものもあるようで……。

新刊『猛暑対策BOOK』(著/藤井直人・小学館刊)から、猛暑を乗り切るために知っておきたい知識を全3回でご紹介するシリーズ連載・最終回。藤井先生が、猛暑対策や熱中症対策の“あるある”を最新の研究報告を元に「ウソ or ホント」で検証します。あの“あるある”は、果たしてホントなのでしょうか?

→【ウソ】 脱水するほどの利尿作用はない

カフェインには、利尿作用があるため、夏場にコーヒーを飲みすぎると、脱水が進んでしまうのではないかと考える人もいるようです。

しかし、数多くの研究成果によって、カフェインの利尿作用のせいで、脱水が著しく進行することはないと結論づけられています。

→【ウソ】 体温を下げる効果はあまりない

昔から「真夏の暑い日に熱いものを食べると夏バテしない」などとよくいわれます。暑いときに熱いものを食べると、汗をかくことがありますが、たしかに汗が蒸発すると体温が下がります。

しかし、同時に熱い食べものの熱がカラダに流入するので、結果的に大きく体温を下げることはないと思います。

→【ビミョー】 一時的な暑さしのぎならOK

木陰になっているところは、太陽からの輻射熱がさえぎられ、かつ地面の温度や気温も低く、一時的な暑さしのぎの場所としてはよいと思います。

ただし、近くにクーラーの効いた場所があれば、そちらに移動したほうが、より暑さをしのぐのに適しているので、あくまで一時的な休憩場所と考えましょう。

→【ホント】 発汗によって体温調節の機能が向上!

長時間の運動を行うと、涼しい環境でも深部体温が上がり、汗が出始めます。これを繰り返すことで、部分的に暑熱順化(※)が起こるため、暑熱に対する耐性が向上していきます。

実際、持久的運動を実施している人は、そうでない人よりもよく汗をかくということが多数報告されています。

(※暑熱順化:カラダが暑さに適応して、発汗や皮膚血流といった熱放散の機能が向上すること)