なんとなく不調の原因かも!?「自律神経の乱れ度チェック」と副交感神経優位派の朝ストレッチ

AI要約

自律神経の乱れが夏バテの原因であること、そのチェックリストと簡単ストレッチについて紹介されました。

夏に自律神経が乱れやすい4つの主な原因と、交感神経と副交感神経タイプ別のチェックリストが示されました。

朝の背骨ストレッチやけい椎リセット呼吸など、自律神経を整える簡単な習慣も紹介されました。

なんとなく不調の原因かも!?「自律神経の乱れ度チェック」と副交感神経優位派の朝ストレッチ

梅雨の時期から夏にかけて何となく不調を感じるという人も多いのではないでしょうか。その原因は自律神経の乱れにあるそう。自律神経の状態を判断するためのチェックリストと、夏バテ予防にもなる簡単ストレッチを教えてもらいました!

教えてくれたのは▷久手堅 司先生

せたがや内科・神経内科クリニック院長。「自律神経失調症外来」「気象病・天気病外来」などの特殊外来を立ち上げ、多くの患者を治療。『面白いほどわかる自律神経の新常識』(宝島社)など著書・監修書多数。

■夏バテの原因は自律神経の乱れ! 背骨をほぐして整えよう

「日本の梅雨は高温多湿で気圧の変動が激しいという特徴があります。実は、年間で最も患者さんが集中するのがこの時期。温度、湿度、気圧の変化に自律神経が対応できず、バランスを乱して、体調を崩してしまうのです」と語るのは、自身のクリニックに『気象病外来』などの特殊外来を設置し、治療に当たっている久手堅司先生。

自律神経とは、体温を調節したり、内臓を働かせたりと、生きるために必要な機能をつかさどっている神経系のこと。緊張時に働く交感神経とリラックス時に働く副交感神経から成り立っています。

「自律神経が乱れると、汗が出にくくなって体に熱が籠もるので、疲労がたまり夏バテに発展します。この時期に一度でも乱れると、シーズン中ずっと夏バテを繰り返しやすくなるので注意が必要です」

自律神経を整えるには、”背骨”をほぐすことが効果的。簡単ストレッチで夏バテを予防しましょう。

なぜ”背骨”をほぐすの?

自律神経が圧迫から解放されて活性化!

自律神経は背骨の中を通る脊髄から出ているため、背骨周辺が凝り固まっていると圧迫されてしまいます。背骨まわりをほぐすことで、自律神経を調整する視床下部へも酸素や栄養が行き渡るため、自律神経の働きがよくなるのです。

背骨まわりの凝りをほぐす

脊髄(自律神経の通り道)が圧迫から解放される

視床下部へ酸素や栄養が運ばれる

自律神経の働きが活性化!

■夏になると自律神経が乱れる4大原因

屋外と屋内の激しい寒暖差

自律神経は、気温が高くなると体温を下げ、低くなると体温を上げるように働きます。そのため、屋外と屋内の寒暖差が激しい夏は、オーバーワーク状態に。自律神経に負荷がかかり過ぎて乱れやすくなります。

熱帯夜による睡眠不足

質のよい睡眠は、日中に働き過ぎた自律神経をリセットし、回復させる効果が。ところが、熱帯夜によって睡眠不足になると、自律神経は昼も夜もフル稼働! 回復するどころか、ますます乱れてしまうことに。

冷たいものの飲み過ぎ食べ過ぎ

胃や腸は自律神経を介して脳とつながり、お互いに影響し合っています。夏に冷たいものを摂取し過ぎて胃腸の機能が低下すると、そのサインが脳に伝わり、結果的に自律神経にまで悪影響を及ぼします。

強い紫外線による肌への攻撃

体はダメージを受けると、持ち前の免疫力によって修復に取りかかります。この免疫機能を正常に働かせているのが自律神経。夏の紫外線による肌ダメージは、自律神経の過労状態を招き、バランスを崩す原因になるのです。

■交感or副交感タイプ別「自律神経の乱れ度チェック!」

自律神経が乱れているときは、交感神経か副交感神経のどちらか一方が高すぎたり、どちらも極端に低すぎたりする傾向が。まずは、自分のタイプを判断し、適したストレッチを念入りに行なって。A、B 同じ数ずつ当てはまった場合や、時間があるときは、朝夜両方のストレッチを行なうのが理想。

A

□寝つきが悪く、なかなか眠れない、また眠りが浅い

□イライラ、ムカムカと気分が落ち着かないことがよくある

□慢性的な肩凝り、首凝り、腰痛がある

□どうきや息切れ、不安感、胸のざわつきなどがある

□パソコンやスマホを長時間使用している

□突然の発汗やのぼせ、ほてりがある

B

□朝起きるのがつらく、すっきりと目覚められない

□慢性的に血圧が低く、何となく全身がだるい

□手足が冷えやすく、むくみやすい

□時々、めまいや立ちくらみがある

□花粉症などのアレルギーを持っている

□集中力が低下気味で、物事に対して意欲があまり湧かない

Aの項目により多く当てはまる人は交感神経優位派

⇒夜の背骨ストレッチを念入りに行なって

Bの項目により多く当てはまる人は副交感神経優位派

⇒朝の背骨ストレッチを念入りに行なって

■【朝3分】お目覚め背骨ストレッチ

交感神経への切り替えをスムーズにするストレッチです。朝から動くことが苦手な人は、昼以降に行なってもOK。習慣化させることを目標に無理のない範囲で行なってみて。

1.脚を伸ばして座りつま先を上げ手をクロスする

いすに浅く腰かけ、両脚を前方へ伸ばして腰幅より広めに開きます。かかとは床につけ、つま先は上げてやや外側に向けましょう。両手は胸の前で交差させて。

2.背筋を伸ばし上半身を前に倒す

背中が丸くならないよう、背筋を伸ばした状態で、上半身をゆっくりと前方へ倒します。ひざが曲がらないよう注意して。

3.腰を左にひねり右ひじを左ひざに近づける

口からゆっくりと息を吐きながら、右ひじを左ひざに近づけるようにして上半身を左にひねります。息を吐き切ったら、鼻から息を吸いながら、2の体勢に戻りましょう。

4.腰を右にひねり左ひじを右ひざに近づける

口からゆっくりと息を吐きながら、今度は、左ひじを右ひざに近づけるようにして上半身を右にひねります。息を吐き切ったら、鼻で息を吸いながら、2の体勢に戻ります。

(3~4を3回繰り返す)

■余裕があればこれもプラス!「けい椎リセット呼吸」

1.鎖骨の下へ指先を当て下へ引っ張る

背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスします。鎖骨の下に両手の指先をそれぞれ当て、下方向へ軽く引っ張りましょう。

2.首を後ろに傾け鼻から息を吸う

天井を見上げるように、首を30~45度後ろに傾けます。この体勢で、3秒かけて鼻から息を吸い、3秒息を止めて。

3.口からゆっくりと息を吐く

今度は口から6秒かけて息を吐きます。2~3は、縮こまった首の前側が伸びていることを感じながら行なって。

(2~3を3回繰り返す)

■自律神経が喜ぶ「朝の習慣」

【その1】午前中に朝日をしっかり浴びておく

朝日を浴びると、交感神経へとスイッチが切り替わり、体が活動モードに! また、午前中に太陽の光を浴びておくと、夜に睡眠ホルモンの分泌が促されるため、入眠もスムーズになります。30分程度浴びるのが理想なので、薄いカーテン越しの窓際で朝食をとるなどしてみて。

【その2】朝起きたらさ湯か常温の水を飲む

夏場は寝ている間も大量の汗をかくので、起きたらコップ1杯のさ湯を飲みましょう。胃腸の働きが活性化して自律神経を整えるほか、便秘の改善にもつながります。一度沸騰させたものを50℃くらいまで冷まして飲むのがおすすめですが、面倒な場合は、常温の水でもOKです。

【その3】無理して嫌いなものを食べない

食事は1日3食、朝もしっかり食べるのが理想です。特に納豆やみそ汁、漬物などの発酵食品は腸内環境を整えるのでおすすめ。ただ、食べたくないときに無理をして食べたり、嫌いなものを我慢して食べるのはNG。かえってストレスになり、自律神経を乱すこともあります。

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副交感神経優位派の私は、朝のストレッチを念入りに。いすに座ったまますぐにできるので続けやすい!(編集:西條)

撮影/布川航太 ヘア&メイク/斉藤節子 モデル/横川莉那 イラスト/かりた 編集協力/オフィス・エール

文=徳永陽子