アルコール依存症の恐ろしさ 絶え間なく飲み続けているうちに脳が萎縮して、もはや止められない。

AI要約

アルコール依存症とは、連続飲酒や離脱症状などによって重症化し、生活や健康に影響を及ぼす状態のことを指す。

依存症の人は、飲む量や時間が増え、朝から晩まで絶え間なく飲み続ける状態が続き、飲まないと離脱症状が現れるため、さらに飲むことを続ける。

行動の背景には、心理的な欲求や身体的な変化があり、例えば迎え酒や手の震えをおさえるために飲み続けることが挙げられる。

アルコール依存症の恐ろしさ 絶え間なく飲み続けているうちに脳が萎縮して、もはや止められない。

酒好きの人に対して、家族やまわりの人は、多少困ることがあっても深刻な問題がなければ様子をみようとしがちです。しかし、なにか問題が起きたときには、多くの場合、依存症は重症化しています。社会生活が危機に陥っていたり、命に関わる病気に罹ってしまっていたりするなど、深刻な事態に陥っていることもあります。

そこで、この記事では、『新版 アルコール依存症から抜け出す本』(樋口 進 監修)から、アルコール依存症の症状や治療法などについて、全8回にわたり解説します。現在、日本に約100万人いるといわれている潜在的な患者さんたちが、早めに対処していくのに役立つ情報をまとめました。

すでに自覚症状のある人をはじめ、予備軍やまわりのご家族もぜひお読みください。今回は、アルコール依存症の主な症状についてお伝えします。

アルコール依存症から抜け出す 第3回

第2回はこちら〈どこまで飲むとアルコール依存症? お酒を飲むと態度が変わる、昼から飲む、二日酔いに迎え酒……。〉

健康な人でもときには飲みすぎることがありますが、それは一晩かぎりの出来事です。

これに対し、依存症の人は、飲む量や時間が増えていった結果、朝から晩まで数時間おきに絶え間なく飲み続けるという「連続飲酒」の状態になっています。いつも体にお酒を入れようとしてしまうのです。食べ物をほとんどとらず、お酒ばかり飲むようになる時期もあります。

その行動の背景には、飲酒欲求が強すぎて飲まずにいられないという心理的な側面と、体質が変化し、体がお酒を欲しているという身体的な側面があります。

依存症の人はお酒を飲んでいないと、手が震えるなどの離脱症状が出てしまうのです。その症状を防いだり、隠したりするために飲み続けているという側面もあります。

【連続飲酒に関連してみられる行動の例】

●お酒を小さなビンやペットボトルに入れて持ち歩き、仕事中でも飲んでしまう

●朝になって目が覚めると体からアルコールが抜けているため、迎え酒をする

●手の震えなどの離脱症状をおさえるために、仕事の前に酒を飲む習慣がつく

●体が衰弱して飲めなくなる時期もあるが、しばらくたつとまた飲みはじめる