ヒオカ「若者の孤独死や〈セルフネグレクト〉が社会問題に。明日は我が身と思うが、同居をする人を見つけるのも難しい」

AI要約

若者の孤独死が増加しており、セルフネグレクトが問題となっている。

現代社会の孤立化や単独世帯の増加が背景にある。

セルフネグレクトの実態は、孤独や無気力からくる自己放棄が起因している。

ヒオカ「若者の孤独死や〈セルフネグレクト〉が社会問題に。明日は我が身と思うが、同居をする人を見つけるのも難しい」

貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。第72回は「若者の孤独死」です。

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◆広がる若者の孤独死

先日「広がる若者の孤独死 3年間に東京23区で742人確認、発見に死後4日以上が4割超」という記事が話題になった。

若者の孤独死は年々増加傾向にあり、「監察医務院が令和2年までの3年間に取り扱った1人暮らしで異状死した10~30代の若者は計1145人。このうち職場や路上などを除く自宅で死亡した『孤独死』は64・8%(742人)に上っていた」(産経新聞 広がる若者の孤独死 3年間に東京23区で742人確認、発見に死後4日以上が4割超 )のだと言う。

また、「増える若者の孤独死 セルフネグレクトの実態『風呂に入らない、片づけない』『誰にも頼れない』【報道特集】」(TBS NEWS DIG)という記事では、孤独死の背景にセルフネグレクトがあることが指摘されており、ごみをため込む若者の実態が紹介されている。

孤独死は現代の社会問題だが、それが若者にも広がっているとは。なかなか衝撃的な事実だが、冷静に考えると、この社会だとそりゃそうなるよな、とも思えてくる。

厚生労働省が公表した「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況」によると、世帯構造において「単独世帯」が1849万5000世帯と最多で、全体の34.0%を占める。単独世帯は増加し続けているのだ。

◆セルフネグレクト

自分のことを考えてみても、今死んでも誰も見つけてくれないよな、と思う。会社勤めをしていればかろうじて、無断欠勤が続けば上司が心配して家まで来てくれるかもしれない。

でも、私は昨年会社を辞め、フリーランス。定期的に連絡を取る編集者はいるが、連絡がとれなくても、最悪「アイツ、飛んだな」とか思われて放置されるかもしれない。それに、毎日連絡をとる人なんてほとんどいない。見つけてもらうのに何日かかるだろう。この猛暑ではあっと言う間に腐乱死体だ。

「セルフネグレクト」というのも、わかる部分がある。私も、放っておくと足の踏み場もないくらい部屋が荒れ果てる。1日働くと家事をする体力も気力も残っていない。1年間ほぼ毎日、同じメニューを作って昼夜と食べ続けていたら、そのメニューを見るだけで吐き気がするようになった。

一時的に友人と同居をしているときは最低限の掃除はしていたし、料理を工夫することもあった。でも、自分のために料理をする気力がどうしても起こらないのだ。誰かのためになら動けるのだが、自分のために何かしようと思えない。休日も特に何もする気力も起こらず、スマホを見ていたら1日が終わる。ひとりでいると、何かを能動的にするみたいなことができなくなっていく。何をするのも途方もなく面倒くさい。