「ステルス値上げ」ラッシュが庶民を襲う…価格改定に消費者ウンザリ、中身減しか打つ手なし

AI要約

飲食料品の値上げが落ち着いているが、秋に再び値上げラッシュが予想される。

消費者は値上げに疲れており、企業は内容量を減らすなど工夫を凝らしている。

カレーライスの物価が10年ぶりの最高値を更新し、家計のやり繰りが厳しくなっている。

「ステルス値上げ」ラッシュが庶民を襲う…価格改定に消費者ウンザリ、中身減しか打つ手なし

 気づきにくい値上げが増えるかもしれない……。

 帝国データバンクが31日発表した調査によると、主要食品メーカー195社の8月の飲食料品の値上げは、642品目だった。前年同月の1197品目と比べて46.4%減で、8カ月連続で前年同月を下回り、値上げ沈静化の傾向だ。

 だが、2年近く続く「値上げラッシュ」がいったんは落ち着いても、秋には再び「値上げラッシュ」が控える。原材料やエネルギー、物流費の高騰、歴史的な円安の影響は大きく、メーカーは依然として苦しい。今年10月に値上げ予定の品目数はすでに2000品目台に達している。

 一方で、消費者の間には「値上げ疲れ」が広がっている。メーカーがうかつに値上げをすれば消費者に敬遠されてしまうため、値段は据え置きで内容量を減らす「ステルス値上げ」が増えているという。

「実質賃金のマイナスが続き、消費者の購買力が低下しています。しかも、さまざまな商品の値上げがこれまでと比較しても長く続いており、生活が逼迫してきている。こうなると、企業はこれ以上の値上げは難しいと判断し、商品の内容量を減らすなどで対処せざるを得ないのです」(帝国データバンク情報統括部・飯島大介氏)

 実際、消費者の節約傾向は顕著だ。総務省による最新(5月)の家計調査では、1世帯あたりの消費支出は29万328円で、前年同月比で1.8%減だった。メーカーが買い控えの広がりを恐れることで、「ステルス値上げ」ラッシュが起こることもあり得る。

 ただ、消費者は商品の変化に敏感だ。

「内容量が減っていると気づいたときのガッカリ感は、人によっては強いものがある。かえって心証を悪くしかねません。できれば企業側もやりたくないことではあるので、慎重に対応していくことでしょう」(飯島大介氏)

 かじ取りは難しい。

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 帝国データバンク発表の調査によると、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの全国平均価格を基に算出した、1食当たりのコストを示す「カレーライス物価」が、過去10年間で最高値を更新した。

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