先祖の霊を迎えて、供養する「お盆」の由来は? 正式名称は?【ビジネスマナー常識チェック】

AI要約

8月の行事や風習についての情報を紹介。

山の日やお盆、関連するイベントや由来について詳細に解説。

京都や長崎など、各地で行われる送り火や精霊流しの伝統行事について紹介。

先祖の霊を迎えて、供養する「お盆」の由来は? 正式名称は?【ビジネスマナー常識チェック】

【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#75

 8月の行事編

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 まもなく8月。7日には夏の風物詩、甲子園球場での高校野球がスタートします。厳しい暑さはまだまだ続きますので、外出時はもちろん、家の中にいるときも適度な休息と水分補給は忘れずにお過ごしください。

 8月の異称は「葉月」。木の葉が落ちる「葉落ち月」から葉月になったという説や、雁が初めてやって来る月「初来月」から葉月になったという説などがあります。

▼山の日(国民の祝日、11日)

 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日。2016年から施行された休日です。日本各地で山の日に関連したイベントが行われます。

▼お盆(13~16日ごろ)

 先祖の霊を迎えて、供養する行事。期間は地域によって異なりますが、13~16日ごろが一般的で、この時期は多くの企業が「お盆休み」を設けています。

 13日に「迎え火」をたいて先祖の霊を家に迎え入れ、15日または16日に「送り火」とともに先祖の霊を帰します。

▽お盆の由来

 お盆は、正式には「盂蘭盆会」と言います。

 盂蘭盆会は、お釈迦様の十大弟子のひとりの目連が餓鬼道に落ちた母親の霊を救うためにお釈迦様の教えにしたがって行った供養が起源だとされています。現在のお盆は、仏教の盂蘭盆会と、日本古来の先祖供養が結びつき生まれたものといわれています。

▽京都「五山送り火」

 送り火で有名なのが、毎年8月16日に行われる京都の「五山送り火」です。

 なかでもよく知られているのが東山如意ケ嶽の「大文字」。

 ほかに、松ケ崎西山・東山の「妙法」、西賀茂妙見山の「船形」、大北山の「左大文字」、嵯峨鳥居本曼荼羅山の「鳥居形」があり、それぞれ時間差で点火されます。

▽長崎「精霊流し」

 故人が亡くなった後に初めて迎えるお盆のことを「初盆」と言います。

 長崎の「精霊流し」は、初盆を迎えた遺族が、故人の霊を弔い、極楽浄土へ送り出すための伝統行事。毎年8月15日に行われます。この精霊流しも、送り火です。

▽ホオズキ

 お盆と関係の深い植物といえば「ホオズキ」。別名「灯籠草」と言います。

 ホオズキのふっくらとふくらんだ形、鮮やかなオレンジの色を提灯の明かりと見立て、ご先祖さまが帰ってくるときの目印になるようにと、お盆に飾られるようになったといわれます。

(金森たかこ/マナー講師)