セックスが10分って短い？ちょうどよいセックスの所要時間はどれくらい？【性の専門家が回答】

体の健康管理について、様々な情報があるなか「性のお悩み」だけは…正解を見つけづらい…家族や友だちにも聞きづらいし、誰に相談したらよいかもわからない。そんなストレスを抱えることはありませんか？このコーナーでは、セックス、セルフプレジャー（マスターベーション）、カラダや性にまつわる読者のお悩みに、性の専門家として活動する４名のスペシャリストがリレー形式で回答！自分らしいセクシャルウェルネスを探求する、きっかけにしてみて！

■Q.セックスが10分って短い？ちょうどよいセックスの所要時間は？（40代前半・女性）

セックスの所要時間に、正解はありません。ふたりがお互いに満足しているのなら、その時間が正解だと考えていいのです。ただ、女性の性的興奮が高まるのには、一般的に男性よりも時間が長くかかるといわれています。もちろんいろいろな楽しみ方がありますが、男女のセックスでは、性器を挿入して楽しむ人が多いかと思います。ジャパン・セックスサーベイ（ジェクス・2024年）によると一回のセックス（前戯から終了まで）にかける時間について、「10分以下」と回答した40代男女の数は、全体の20パーセント程度でした。挿入をともなうセックスで、前戯を含めて10分しか時間がないのは短いと言えるでしょう。

男性器は、数秒から数分で勃起することができます。挿入しようと思えばすぐにできるでしょう。ただ、女性器はそうはいきません。内側は粘膜になっているので、乾いた状態でこすれば痛みを伴います。例えば、目の内側を乾いた指で擦ると、ヒリヒリと痛いですよね。さらに、筋肉で囲まれている臓器なので、筋肉をほぐしてあげる必要があります。腟口の入り口の通常サイズは平均的には1cm程度。男性器の亀頭の直径は3.5cm程度あります。いきなりいきなりぐいっと広げて挿入すると、腟の痛み（性交痛）や裂傷の原因になってしまいます。これは、男性にはあまり想像できない痛みかもしれませんが、肛門にいきなり指を2～3本入れてみると、その感覚を体験できます。つまり、「十分に潤わせること」「柔らかくほぐすこと」の両方が必要になるのです。

基本的に、女性が「入れて欲しい」という気持ちになることがベストな挿入のタイミングです。見た目で判断するのなら、顔が上気した表情になり、息が少し上がってきていたり、クリトリスや外性器がふっくらと充血して色づき、愛液が分泌しているかどうか。濡れているからいい、というわけでもないんです。時々、とても濡れやすい体質の女性が「もう挿入してもいいんだ、とすぐに思われてしまうのが苦痛なんです」と相談しにくることもあります。と、このように心身の準備をしっかり行うなら、10分ではなかなか厳しいと思いませんか？ただ、信頼関係の強いセックスパートナーであるとか、「出会ってすぐにむさぼるように合体したい！」と、あえて前戯に時間をかけない場合もあるでしょう。冒頭で申し上げましたが、結論は、ふたりがお互いに満足しているのなら、その時間が正解。心と体の準備ができているなら、あとはふたりにおまかせ、なのです。

参考資料：ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2024

■■今回答えてくれたのは…ラブグッズプロデューサー　なつえり 

1991年生まれ、通称バイブ姫。自分に自信がなく、依存・束縛・浮気を繰り返すこじらせ恋愛やセックスレスで悩んできた経験から、性生活を楽しむヒントを伝える公認ラブライフカウンセラー®️に。ママ向け性教育ワークショップ「Oya.Co（おやこ）」を定期開催。ラブグッズを年間100個以上試すアイテムプロデューサーとしても活躍。アイテムをおすすめする個人ブログは月間15万pv、Twitterフォロワー1万人。早稲田大学法学部卒、日本性科学会員。