登山の総合力が試される! ワイルドな魅力あふれる長大な縦走路の姿とは【北海道】

AI要約

北海道最長の縦走ルート、大雪山・旭岳から十勝連峰・旭岳までのルートが注目を集めている。

今年は特に登山者が増え、コロナ禍で整備が行われた区間も含めて魅力的だ。

5泊6日の縦走では、様々な山々を望むことができるが、注意点も多い。

登山の総合力が試される! ワイルドな魅力あふれる長大な縦走路の姿とは【北海道】

 北海道最長の縦走ルート、大雪山・旭岳から十勝連峰・旭岳までのルートが今、注目を集めている。変化に富み、自然味あふれる全行程70kmの大縦走。今年は例年になく、チャレンジする登山者が多いのだが、その魅力と注意点をお伝えしよう。

 広大な大雪山系と火山帯の切り立った十勝連峰をつなげる、大雪十勝全山縦走。明確な決まりはないが、旭岳と富良野岳をつないで歩く人が多い。また、どちらをスタートにして、ゴールにするかもそれぞれが決めればよい。旭岳はほとんどの人がロープウェイを利用し、富良野岳は一般車で高所まで上がれる、十勝岳温泉・凌雲閣の横にある駐車場を出発点としている。

 日程は通常5日から6日かけて縦走し、途中に営業小屋はない。避難小屋を活用できる場所もあるが、避難小屋は入れる人数も限られるので基本はテント泊。食料や燃料も背負って行く、まさに上級者向けの大縦走だ。

 昔からある縦走路だが、ここ数年は特に注目を集めている。コロナ禍前まではルートの一部(といっても5kmほどに及ぶ区間)が笹苅などの整備が長期間行われていなかったため、通常の歩行は不可能な廃道に近い状態となっていた。その区間がコロナ禍に助成金を得て大規模な笹苅整備が行われ、再び通行可能となった。笹刈を行ってくれた方々の労力には大いに感謝したい。この情報を得て大雪・十勝全山縦走に挑む登山者が増えているのだ。筆者は毎年のようにこの縦走を行っているが、今年も7月に5泊6日で縦走を行ったので、その行程をもとに魅力や注意点をお伝えしていこう。

 1日目は朝一番のロープウェイを使って旭岳(2,291m)へ。北海道最高峰の山なので、この縦走においても最高地点。旭岳山頂からは天気が良ければ中間地点のトムラウシ山(2,141m)、さらに続く十勝連峰の山々と最後に登る富良野岳(1,912m)も遠望できる。

 筆者が登ったときは残念ながら雲の中だった。山頂から一旦下り、お鉢平を経て白雲避難小屋へ向う。初日の宿泊地はここになる。避難小屋、テント場、共に利用料がかかるので現金を用意しておこう。水場はあるが8月後半になると枯れるので、時期によっては注意が必要だ。また、付近にヒグマが頻繁に出没するとテント場が利用禁止となる。

 昨年はさらに避難小屋も利用禁止となってしまい、多くの登山者を悩ませた。そのような場合も通行は可能だが、ここに泊まれないと大幅な予定変更が必要となるため、事前にチェックしておきたい。