BMW/320d xDrive ツーリング Mスポーツ|日常使いのステーションワゴンなら、この車【石川真禧照の名車を利く】

AI要約

BMW 320d xDrive ツーリング Mスポーツは、日常使いに適した便利な車であり、取りまわしや荷物の積載容量が優れている。

320dツーリングはディーゼルエンジンで走行性能も高く、燃費も標準的である。

総合的な性能と使い勝手から、日常生活にうまく溶け込む1台である。

BMW/320d xDrive ツーリング Mスポーツ|日常使いのステーションワゴンなら、この車【石川真禧照の名車を利く】

文・石川真禧照(自動車生活探険家)

普段使いの車はどのような車が良いのか考えてみた。平日は買い物や日常の用事の足として使用する。休日は家族や友人たちと遊びに出かける。条件はさまざまだが、便利なのは、人数がある程度乗れ、荷物も積め、運転しやすいこと。遠出をする人は、燃費も気になるところだ。

仕事柄、軽自動車から大型リムジン、ミニバン、SUVなど、さまざまな車種を試乗しているが、そのときに、自分が所有するとしたら、どのような使い方をするだろうか、ということは常に考えている。

最近試乗した車の中で、日常使いなら、この車、1台でかなり楽しい生活を送れそう、と思ったのが、「BMW 320d xDrive ツーリング Mスポーツ」だ。

ドイツのBMW社が生産、販売するミドルクラスの乗用車だが、その形はリアまで天井が延びているステーションワゴンだ。BMWの3シリーズは、1975年にドイツ本国で初代モデルが誕生している。日本に実車が輸入されたのは1970年代後半から。このときは4ドアセダンだった。このセダンをベースにステーションワゴンがつくられたのは1982年に登場した2代目から。以来、3シリーズには必ずステーションワゴンがつくられた。ちなみにBMWではステーションワゴンはツーリングという呼び方をした。現行の3シリーズワゴンは2019年に7代目として登場、2022年9月に大幅な改良を受けている。

320dツーリングの良さは、取りまわしの良さだ。車体サイズは全長が4.7m、全幅は1.8mをわずかに超えているが、都会の立体駐車場にも対応している。

3シリーズツーリングで重宝なのは、リアのゲートだ。ゲート全体で大きく開閉できるのは当然だが、ガラス部分だけでも開閉できる。その高さも1mちょっとなので、小さな荷物などは、いちいち大きなゲートを開かなくても、荷物の出し入れができる。狭い駐車場などで、この仕様は有難い。しかも、ガラス部分がきちんと閉まっていないと、大きなゲートは開かないという安全装備も付いている。

リアの荷物は、奥行は約1m。左右幅は、1番広いところは1.3m以上確保されている。荷室手前の部分には、ゴルフバッグが横置きできる長さがある。このクラスの輸入車で、この広さがあるのは珍しい。ゴルフ場で自分のバッグを積みこんでいるときに、バッグの横置きを見た人が、わざわざ声をかけてきたほどだ。

走行性能はどうだろう。320dツーリングのdはディーゼルのこと。2LディーゼルターボエンジンはBMWが長年培ってきた技術。アイドリング時に若干のエンジン音とうなり音が聞こえたが、走り出してしまえば8速ATが適切な仕事をしてくれる。燃費も高速走行で17km/L前後、街中では13km/L前後が標準的数値だった。高速走行中の安定感も良く、長距離走行での疲れも少ない。

いま乗る車を1台だけ選べと言われたら、この車を推したい。

・BMW 320d xDrive ツーリング Mスポーツ

全長×全幅×全高 4720×1825×1455mm

ホイールベース 2850mm

車両重量 1740kg

エンジン 直列4気筒DOHCディーゼルターボ

最高出力 190ps/4000rpm

最大トルク 400Nm/1750~2500rpm

駆動形式 4輪駆動

燃料消費率 15.5km/L(WLTCモード)

使用燃料/容量 軽油/59L

ミッション形式 8速自動

サスペンション形式 前:ストラット式/後:5リンク式

ブレーキ形式 前後:ベンチレーテッドディスク

乗員定員 5名

車両価格 764万円

問い合わせ先 0120-269-437

文/石川真禧照(自動車生活探険家)

20代で自動車評論の世界に入り、年間200台以上の自動車に試乗すること半世紀。日常生活と自動車との関わりを考えた評価、評論を得意とする。

撮影/萩原文博