介護保険でまかなえる「高齢者向けのトイレ環境」の整え方

AI要約

高齢になるとトイレまでの移動も大変になり、ポータブルトイレの利用に抵抗を感じる人もいる。

ポータブルトイレを不快感なく使ってもらうためには、練習や専門家の指導を通して自ら使いたいと思わせる工夫が必要。

プライドを傷つけないよう配慮し、使いたくなる気持ちを大切にすることが重要。

介護保険でまかなえる「高齢者向けのトイレ環境」の整え方

高齢になるとトイレまでの移動も大変になり、間に合わないということも多くなります。しかしポータブルトイレを導入しても、寝室で排泄をすることに抵抗を感じるという方も少なくありません。どうしたら、ポータブルトイレを不快感なく使ってもらうことができるでしょうか? 『PHPくらしラク~る♪』では、大迫知信さんが自身の体験、そして介護のプロからのアドバイスを紹介しています。

※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年8月号より、一部を抜粋編集したものです。

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おばあ:松原文子(90歳)

1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。

孫:大迫知信(40歳)

脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。

・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/

・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/

【介護のプロに聞いてみた】

――ポータブルトイレを使ってもらうにはどうしたらいいでしょうか?

これまで通り排泄ができなくなると、想像以上にプライドが傷つくんですよ。だからいくら「便利やで!」と言われても、すんなりと受け入れられないんです。まずは「一回、練習してみよか」と、介助して座ってもらうことからはじめてください。

ケアマネジャーを通じて、理学療法士のような専門職に来てもらい、乗り移る方法を訓練してもらうこともできますよ。そうして実際に座ってみて「トイレまで行くより楽や」となれば、使ってくれるはず。無理にすすめず、自ら使いたくなることが大切です。