マーガレット・ハウエルのリネンシャツが普通のシャツとひと味違うワケ

AI要約

マーガレット・ハウエルのリネンシャツは控えめなデザインでありながら、品の良さを感じさせる。

ブランドの歴史を知ることでリネンシャツの魅力がより深く理解できる。

ブランドの原点はシャツであり、メンズのシャツらしさが女性用アイテムにも表現されている。

マーガレット・ハウエルのリネンシャツが普通のシャツとひと味違うワケ

有名ブランドの多くがアイコニックなアイテムを持っている。ロゴやフォルム、ディテールなど、ひと目見ただけでそのブランドのモノであることがわかる。

だが、「MARGARET HOWELL(マーガレット・ハウエル)」のリネンシャツは少々趣を異にする。主張を抑えたデザインでありながら、どこか品のよさを感じさせてくれるのだ。

今回は、時代やトレンドを超えて愛され続ける名作リネンシャツの魅力に迫りたい。

リネンシャツの魅力を知るには、ブランドの歩みを知っておく必要がある。

MARGARET HOWELLを立ち上げたのは、英国生まれのデザイナー、マーガレット・ハウエル氏である。1946年にサリー州で生まれた彼女は、ロンドン大学のゴールドスミス・カレッジでファインアートを学び、アクセサリーの製作を開始。

ハンドメイドの作品がVOGUEで紹介されるなど、キャリアを順調に積み上げていき、のちに服のデザインも手がけるようになった。そこで、特に心を惹かれたのがメンズのシャツだった。

1970年にメンズのシャツのデザインをスタート。目指したのは、ジャーミンストリートのビスポークシャツに使われるような上質な生地を使用しながらも、仕立ては軽くしなやかなカジュアルシャツだった。

当時はメンズのシャツといえば、スーツに合わせるドレスシャツが主流。日常着としてリラックスして着られるシャツは斬新なアイテムだったのだ。

1977年にはロンドンのサウス・モルトン・ストリートに初めてのショップをオープンした。もともとはメンズの店だったが、女性客も多かったため、これをきっかけにウィメンズの展開もスタートした。

2002年にはウィグモア・ストリートに新店をオープン。この店はメンズとウィメンズのウエアをはじめ、彼女がセレクトした雑貨、本、インテリアを扱い、デザインオフィスを兼ねたフラッグシップストアだった。

1983年には日本で初の路面店が東京・青山にオープンした。その後、多くのファッション誌で紹介され、一気に知名度が高まった。

現在はウエアだけでなく、バッグやシューズ、インテリアも揃うブランドに成長を遂げたが、ブランドの原点はあくまでシャツである。女性用でもブラウスとは呼ばず、シャツと呼んでいたり、フリルやラウンドカラーといったフェミニンなディテールを持つモデルでも、必ずどこかにメンズのシャツらしさが表現されている。