全てを手に入れたはずの「タワマンエリート妻」の苦悩...「仕事で活躍しても結局美味しいところは男が持っていく」「広告マンの夫が夜帰ってこない」

AI要約

「タワマン文学」の先駆者・窓際三等兵氏が原作をつとめた話題作『タワマンに住んで後悔してる』は、都内のタワーマンションに住む3組の家族の内情を描いた作品で、人々の関心を集めている。

タワーマンションを舞台に、現代日本の格差や生きづらさを描いた「タワマン文学」は、成功のイメージや手の届きそうなポジションが魅力であるとされている。

新築マンションの価格の高騰やタワーマンションの高価格帯は一般庶民に手の届かないほどであり、タワマンに住む人々の生活は世間の注目を浴びている。

全てを手に入れたはずの「タワマンエリート妻」の苦悩...「仕事で活躍しても結局美味しいところは男が持っていく」「広告マンの夫が夜帰ってこない」

「タワマン文学」の先駆者・窓際三等兵氏が原作をつとめた話題作『タワマンに住んで後悔してる』(漫画:グラハム子/KADOKAWA)。同じタワマンの低・中・高層階に住む家族3組の内情を描いたセミフィクションで、ネットを中心に大反響を呼んだ。

「タワマン文学」とは、都内のタワーマンションを舞台に、現代日本の格差や生きづらさを描いた作品群のことだ。なぜ、こんなにも「タワマン」の話題は人々を惹きつけるのだろうか? 原案を務めた窓際三等兵さんは、こう推測する。

「有名大学を出て一流企業に入れば買えるかも、という、わかりやすい成功のイメージがあるからだと思います。港区に住む本物の富裕層には嫉妬すらしないけど『頑張れば手が届きそう』という、タワマンの絶妙なポジションが良いのかなと。価値観は人それぞれだとは思いますが、正直、酸っぱいブドウ的な側面もあると思います」

近年、新築マンションの価格は高騰し続けており、不動産経済研究所が1月に発表した2023年の首都圏新築マンション平均価格は前年比39.4%増と、東京23区で初めて1億円を超えた。その中でも都心部のより高価格帯のタワーマンションは、もはや一般庶民には到底手の届かない水準になっている。実際に「タワマン」に住む人はどんな生活を送っているのか。世間の耳目を集めるのは当然かもしれない。

本作では、それぞれの家族の内情が赤裸々に綴られる。タワマンの部屋は世帯年収によって買える限界があり、うっすらと所得階層ごとにグラデーションを作っているという。

前編『「香織さんの夫は広告マンで子供たちに大人気」「恵さんの夫は商社マンでハムの原木を提供」...《タワマンの低層階》に住む妻が味わった「地獄のようなマウント合戦」』では、タワマンの低層階部屋を購入し、地方から引っ越してきた渕上家の妻・舞が、中層階や高層階に住むママ友たちの夫をうらやむ姿が描かれていた。

本稿では、タワマンの中階層に住み、自身はバリキャリで夫は広告マン、子供は学業優秀と、人生すべてが順調にみえる香織が人知れず抱える苦悩にふれる。