記録的猛暑の夏、にしおかすみこと認知症の母がダウン症の姉の寝室温度に驚愕した日

AI要約

2023年夏、世界中で史上最高気温を更新し、地球が沸騰化していると指摘された。にしおかすみこさんの家も暑く、母の認知症、姉のダウン症、父の酔っ払いとの暮らしを描いた連載「ポンコツ一家」が人気を博し、2024年に続編が刊行されることが決定した。

2023年の暑い夏、にしおか家では母が間違えて暖房をつけ続け、姉は扇風機にあぐらをかいていた。父は酔い潰れ、家族のユーモラスな日常が描かれている。

連載を読むと、母、姉、父との関係性や家族の個性が折り込まれ、物語が展開している様子がうかがえる。

記録的猛暑の夏、にしおかすみこと認知症の母がダウン症の姉の寝室温度に驚愕した日

2023年夏は世界中の多くの場所で「史上最高気温」を更新し、グテーレス国連事務総長をして「温暖化ではなく地球が沸騰化している」と言わしめた。

暑かったのは、にしおかすみこさんの家も等しくそうである。

「うちは、

母、80歳、認知症。

姉、47歳、ダウン症。

父、81歳、酔っ払い。

ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。

全員ポンコツである」

こんな書き出しで連載が始まったのが、2021年9月20日のこと。2020年、コロナ禍で久々に実家に帰ると、ゴミ屋敷のようになった我が家と、変わり果てた母の姿があった。元看護師で家の大黒柱の母が、認知症となっていたのだ。

それから同居を決め、赤裸々に描いてきた連載「ポンコツ一家」、2023年1月には13章までと書きおろし5編を加えて書籍『ポンコツ一家』が刊行された。

そして連載をお読みくださっている方に真っ先にお伝えしたいと速報!2024年9月20日に、『ポンコツ一家2年目』の刊行が決定した。

今度は連載15編に書きおろし4編とボリュームアップ。そして認知症の母、ダウン症の姉、酔っ払いの父との暮らしも“パワーアップ”していることがよくわかる(7月21日夜8時40分~9時FRaUのインスタアカウントよりにしおかすみこさんの速報インスタライブ開催予定です)。

さて、FRaUwebの連載はポンコツ一家同居から3年目をお伝えしている。とても暑かった2023年の夏、にしおか家で聞こえてきた怒鳴り声の理由は……。

2023年7月某日、午前中。

二階から怒鳴り声。「あ~!何でこんなに暑いんだ!誰がやった?!もー!すみ!すみ!」

母だ。私はやれやれとばかりに階段を上がり、姉の部屋に顔を出す。一瞬にして倒れそうなくらい蒸し暑い。外よりも外みたいだ。母が汗だくでリモコンをエアコンに向かってピッピッと連打している。

「貸して」とババアのじっとりした手からそれを取り、表示を見ると暖房30度。ギョッとする。急いで冷房の強風に切り替える。

母が冷房と間違えて暖房を押し続けるこの光景、もうすっかり日常だ。

右を見ると姉がベッドの上であぐらをかき、扇風機に顔を近づけている。ファンは回っている。左を見ると窓は網戸全開だ。

「どう思う?!この状況!どうしたいんだ!こんな頭のおかしいことやるのはパクソしかいない!酔っ払いが!」と、母が息巻く。

父は明け方に戻り、今しがた1階で酔い潰れているのを確認している。