BMWの顔が大変身! 次期3シリーズやXシリーズを彷彿させる「ビジョン ノイエ・クラッセ」に期待せずにはいられない。

AI要約

BMWが1962年に発表した初代「ノイエ・クラッセ」は、クルマの新基準を作り上げ、今再び、BMWは「ビジョン ノイエ・クラッセ」として新たな基準を提案する。

2024年に発表されたバッテリー駆動のSAV「ビジョン ノイエ・クラッセX」は未来のBMWを象徴し、量産モデルの発売も近い。

BMWは2030年代を見据え、さまざまな革新的テクノロジーを取り入れ、将来の自動車ラインアップを提案する。

BMWの顔が大変身! 次期3シリーズやXシリーズを彷彿させる「ビジョン ノイエ・クラッセ」に期待せずにはいられない。

BMWが1962年に発表した初代「ノイエ・クラッセ」は、最新のテクノロジー、デザイン、スポーティなハンドリングとともに、クルマの新基準を作り上げた。そして今再び、BMWは「ビジョン ノイエ・クラッセ」として新たな基準を提案する。2030年代を見据えた同社の狙いとは? 去る3月に発表されたSAV版「ビジョン ノイエ・クラッセX」とともに、モータージャーナリストの小川フミオが解説する。

BMWが、2024年3月に「ビジョン ノイエ・クラッセX」なるバッテリー駆動のSAV(SUV)を発表した。これが未来のBMWの姿! いかがだろうか、フロントマスクをはじめ、かなり斬新だ。量産モデルの発売も近づいている。

ノイエ・クラッセは、現行のXシリーズの未来形とされている。23年秋に発表されたセダン版の「ビジョン ノイエ・クラッセ」とともに、たんなるコンセプトでなく、将来のBMWのラインナップの在り方をイメージさせてくれるモデル、だという。

ボディの大きさは未発表だ。セダン版は全長4.2mなどという報道もあるが、SAV(スポーツアクティビティビークル)のほうは“ロングホイールベース”(BMWのプレスリリース)とされているし、「広い車内を実現しました」とデザイン担当者も語っているので、利便性は高いかもしれない。

少なくとも、私が24年2月にポルトガルで実際のモデルに接したとき、後席シートも空間的余裕はたっぷりあるなと感じた。ボディはフラッシュサーフェス(突起や起伏を極力排除した表面処理)化されていて、カタマリ感とともに、堂々たる雰囲気を感じさせた。

新しさでいうと、内装も然り。BMWが2001年の3代目7シリーズで採用したダイヤル式コントローラーの「iDrive」も”進化”して、ノイエ・クラッセではダイヤルはなくなった。

代わって、スマホ感覚で扱いやすくなったタッチスクリーン(音声コントロールもさらに機能向上)、ウインドスクリーン下端に細い帯のように設置された情報表示の「パノラミックビジョン」、それにさらに機能が上がった「HYPERSONX」なるステアリングホイールで構成されている。

最新のBMWやMINI各車で体験できるような、ドライブモードや速度などに、さまざまな音とサウンドを連動させた“エンタメ的演出”も、さらに強化されるらしい。メッシュ素材で覆われたダッシュボードが広く輝くなど、新しい仕掛けが体験できた。

BMWでは現在、「水素を含めたあらゆる燃料、純粋なICE(エンジン)、ハイブリッド、ピュアEVといったドライブトレイン、すべてにおいて開発の手をゆるめない」としている。

ただし「2030年には販売台数の半数がピュアEVになっているのでは、と想像します」と、オリバー・ツィプセ取締役会会長。「常に業界をリードする立場にいるため、ノイエ・クラッセのようなピュアEVにいっそう力を入れていきます」としている。

ビジョン ノイエ・クラッセ第1弾の発売は2025年。その後、24カ月内に「6台の異なったノイエ・クラッセを発表します」とツィプセ会長。ノイエ・クラッセXについても「将来のXシリーズの姿」というように、かなりの本気度だ。

バッテリー(当面は円筒形のリチウムイオンと思われるが)やモーターの性能、搭載位置や駆動方式についての詳細な説明は、時期尚早ということで未発表。ただし、Xを見る限り、ウインドウグラフィクスなど現行のXシリーズとの共通点が散見され、現実性は高そうだ。