ユニクロのグレーターチャイナ事業、構造改革進めて2028年までに売上収益1兆円へ

AI要約

ファーストリテイリングが、海外ユニクロ事業のグレーターチャイナにおいて2028年8月期までに売上収益1兆円を目標に掲げると発表。将来的には売上収益3兆円、店舗数3000を目指す。

2024年8月期第3四半期 海外ユニクロ事業の実績は、売上収益が増加し、グレーターチャイナでは厳しい状況で苦戦。構造改革を進め、個店経営を強化することで成長を見込む。

リアル店舗とECを繋ぐOMO化や店舗のブランド価値強化、売上アップの取り組みなど、売上1兆円達成に向けた具体的な施策が計画されている。

ユニクロのグレーターチャイナ事業、構造改革進めて2028年までに売上収益1兆円へ

 ファーストリテイリングが、海外ユニクロ事業のグレーターチャイナにおいて2028年8月期までに売上収益1兆円を目標に掲げると発表した。構造改革を推進し、将来的には売上収益3兆円、店舗数3000を目指す。

 2024年8月期第3四半期 海外ユニクロ事業の実績は、売上収益が前年同期比19.4%増の4088億円、営業利益が同15.6%増の710億円と大幅な増収増益。一方で、グレーターチャイナでは前年がコロナ禍の反動消費により売上好調でハードルが上がっていたことのほか、顧客の消費意欲の伸び悩みや天候不順、マーケティング不足などによって苦戦を強いられ、減収減益に終わった。

 同社は、グレーターチャイナではチェーンストア展開が成熟し、踊り場に差し掛かっていると現状を分析。今後は、個店経営を徹底的に推進することで事業を成長軌道に乗せていく。まず、店舗ごとの集客力に差が見られる現状を改善するため、ブランド価値を体現できる店舗に絞って年間最低50店舗を新規出店。現在旗艦店を出店していない重慶、成都、天津、西安、昆明、鄭州など成長ポテンシャルが高い都市に積極的に旗艦店を開く。また、2024年8月期から2026年8月期までの3年間で年間50店舗程度のスクラップ&ビルドを実施し、1店舗当たりの月商を現在の1.5倍以上へ引き上げる。

 リアル店舗とECを繋ぐOMO化も進める。現在グレーターチャイナの売上全体に占めるEC化率は約25%で、そのうちO2O(オンラインで購入して店舗受け取り)の割合は約40%。O2Oを強化することで、EC化率30%を目指す。そのほか、店長クラスの育成・採用を推進。店舗経営者の質を向上させることで1店舗あたりの売上を伸ばし、ゆくゆくは日本の店舗と同等まで押し上げたい考えだ。

 2023年8月期時点でのグレーターチャイナの年間売上収益は6202億円。1兆円に乗せるには、約60%ほどの上乗せが必要になるが、ファーストリテイリング グループ上席執行役員の潘寧グレーターチャイナCEOは、「改革を推進すれば売上1兆円は確実に達成できると見ている。不況に打ち勝てる体制作りをして、3兆円達成に向けて進んでいきたい」と話した。

 ファーストリテイリング2024年8月期第3四半期(2023年9月~2024年5月)の累計実績は、売上収益が前年同期比10.4%増となる2兆3665億円、営業利益が同21.5%増の4018億円で過去最高業績を達成。北米、欧州、東南アジア、日本のユニクロ事業が大幅な増収増益で業績をけん引した。ジーユー事業も増収増益となったが、売れ筋商品の在庫を十分に確保できなかったことが響いて業績予想を下回った。