「昭和鉱山」を探してみる? あなたの身の回りにもお宝が眠っているかも【シニアのためのマネー講座】
7月に入り、暑さが厳しい日本列島。電気代が気になる時期だが、昭和ブームの影響で「昭和鉱山」が宝の山かもしれない。
シニア世代も令和時代に関わり、昔のアイテムが高値で売れる可能性も。終活としての整理整頓が実は生きるための手段だと気付く。
「昭和鉱山」や昔のアイドルのレコードを売る方法を学びながら、令和の生き方について考える機会を得る。
【シニアのためのマネー講座】#102
「あ゛~今年も暑い!」
7月は始まったばかりだし、梅雨もまだ明けていない。だが、日本列島はすでに「酷暑マーク」のオンパレード。
「こりゃ、今年も電気代がひどいことになるぞ!」と危機感を募らせているアナタ。「寝るときはクーラーのタイマーをセットして、あとは扇風機でしのぐか」──それくらいの頭しか働いていないことだろう。
しかし、そんな考えでは、もう頭がうだり始めている--そう言われても仕方がない。
世の中、視点を変えればいろいろなものが見えてくる。なんせ、今は「未曽有の昭和ブーム」。昔の家電製品からアイドルに至るまで、ありとあらゆる「昭和」が評価されている。黒電話に電子ジャー、家具調テレビに、レコード……数えあげたらキリがない。
昭和世代からしてみれば、「そんな古くさいもの」と一蹴されそうだが、そういった「レトロな感じ」がZ世代を中心にウケている。
「ホンモノの昭和」の中に、令和時代にない目新しさ、斬新さを感じているのだ。
「そんなブームには、俺は一切関係ねぇ」と、完全無視を決め込んでいるシニアの皆さん。実はあなたの身の回りにも、たくさんの「お宝」が眠っているかもしれない。「都市鉱山」ならぬ「昭和鉱山」。本棚の奥、押し入れ、物置に至るまで、いろいろなところを探してみてはいかがだろうか。「意外な高値」で買い取ってくれるかもしれない。
そんな一雨降った、ある日の夕方。
「おじいちゃん、今日は物置の整理ですか。精が出ますね」と、ご近所さんに声をかけられたとしよう。
「いやいや、体が動くうちに何とかしようと思ってね」
なんの変哲もない会話だが、おそらく声をかけた向こうは「終活」だと思い込んでいる。まさか一獲千金を狙って、「昭和鉱山を物色している」なんて思っちゃいないだろう。
しかし、これはすべて「生きるための手段」。一晩中、クーラーをつけて、「今年を生き延びるための最終兵器」なのだ。重い荷物を動かして、老骨にムチ打って、最後の踏ん張りどころである。
「ところで、聖子ちゃん、明菜ちゃんのレコード見つけたんだけど、どうやって売るの?」
ん~、そこから「令和の生き方」をお教えしましょう。
(黒岩泰/株式アナリスト)