この夏もエルニーニョ現象の影響で暑い!子どもを猛暑から守るには?体温調節の専門家が教える、世界中の研究論文を読んで導いた〝盲点〟って?

AI要約

気象庁は2月の時点で、地球温暖化とエルニーニョ現象の影響で今夏は全国的に気温が高くなり、猛暑日が増えると予想。

体温調節機能が年齢や性別によって異なるため、特に子どもと高齢者の対策が必要。

男女差や体の大きさなどを考慮し、適切な暑熱対策を行うことが重要。

年齢が異なると体の大きさや感知能力に差があり、特に幼い子どもや高齢者は注意が必要。

熱中症リスクに性別差はある可能性が指摘されているが、対策は一概には変わらない。

体温調節機能の変化や特徴を踏まえ、若者と比べて高齢者や子どもにはより綿密なケアやサポートが必要。

暑熱順化の速さにも性差がある可能性があるが、熱中症リスクについては男女差は報告されていない。

この夏もエルニーニョ現象の影響で暑い!子どもを猛暑から守るには?体温調節の専門家が教える、世界中の研究論文を読んで導いた〝盲点〟って?

気象庁は2月の時点で、地球温暖化に加え、南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象の影響で、今夏は全国的に気温が高くなり、猛暑日が増えると予想しています。近年、気温30度超は珍しくなく、室内が湿度80%超になることも。

そこで気になるのが猛暑対策。「じつは大人と子どもでは体温調節の機能が異なるため、それぞれの特徴を踏まえて対策を考える必要があります」というのは、筑波大学で運動生理学の研究をしている藤井直人さん。子どもと高齢者の対策についての考えを、お話ししてくださいました。

 

*本記事は、書籍『猛暑対策BOOK 日本のヤバい夏を最新科学の力で乗り切る!』(藤井直人 著)の一部を抜粋、再編集して構成しています。

人間の体温調節機能は年齢とともに変化し、男女差もあります。これらの特徴を踏まえて、暑熱対策を考える必要があります。

年齢が異なれば、カラダの大きさや、汗の量、体温を感知する感覚といったものに差があるほか、自分の意思を伝えられなかったり、自分で水分補給できなかったり、周囲のサポートが必要な場合もあります。

自分で意思を伝えられない幼い子どもは、大人よりカラダの体積が小さいため、体温が変化しやすく、気づかないうちに熱中症になってしまう場合も少なくありません。カラダが小さいペットも同様に対策が必要といえます。

高齢者と子どもの特長について、お話ししていきましょう。

高齢者は体温調節がうまくいかず、体温が上がりやすいといわれています。また、年齢とともにのどの渇きや暑さを感じにくくなるともいわれ、いろいろな自覚症状が出ないことも。このような特徴を踏まえ、若者よりもより手厚いケアや、周囲のサポートが必要となります。

ちなみに、呼吸循環・体温調節機能に男女差がある可能性が指摘されています。女性の場合、暑熱順化(体を暑さに慣れさせること)を起こすのに、男性より少し日数がかかる可能性も。ただし、熱中症リスクに男女差はないという報告もあり、男だから、女だから、と明確に対策が変わるわけではないようです。