ゴルフブーム終息は過剰表現 ジュンのゴルフ事業が堅調を維持する理由

AI要約

コロナ禍で一気に加速したゴルフブーム。市場が広がったものの、近年の“コロナバブル終焉”に伴い、ゴルフブームは下火になる指摘もある。

矢野経済研究所の調査によると、2022年の国内ゴルフ用品市場規模は前年比12.0%増の3092億円を記録し、21年ぶりに3000億円を突破。

2023年以降は市場の伸びが鈍化し、課題も顕在化。早期リタイアゴルファーが約2割存在し、経済的理由からプレーを続けない人も多い。

ゴルフブーム終息は過剰表現 ジュンのゴルフ事業が堅調を維持する理由

 コロナ禍で一気に加速したゴルフブーム。一気に市場が広がったことで、キャンプとともに「コロナバブル」とも称されたが、近年の“コロナバブル終焉”に伴い、「ゴルフブームは下火になった」といった指摘も少なくない。しかし、ゴルフブランドを複数運営するジュングループはそれを否定する。これまでは外苑前の本社で同グループの展示会の1コンテンツとして新作を発表していたが、今年6月の展示会は本社近隣のゴルフラウンジに会場を移し、初めてゴルフブランドに特化して開催。ゴルフカテゴリーに対する積極展開の姿勢を示した。今回は、ジュンの展示会からゴルフ市場の現在地を追った。

 矢野経済研究所の国内ゴルフ用品(メーカー売上高ベース、2023年10月発表)に関する調査によると、2022年の市場規模は前年比12.0%増の3092億円を記録。3000億円の大台突破は21年ぶりだという。

 特に金額の伸び率が高かったのはウェアやキャディバッグ、パターなどで、ウェアは2021年、2022年と続けて2桁増で推移。同研究所は、2020年以降新たにゴルフを始めたゴルフ未経験者、および1年以上プレーしていなかった“休眠復活ゴルファー”は計約110万人(拡大推計値)いると推測し、これらの層が市場を支えたと分析している。

 しかし、2023年の後半以降は数量の伸び悩みなど課題が顕在化し、2023年の市場規模の予測値では、いずれのカテゴリーにおいても前年からほぼ横ばい、もしくは微増と予想。「コロナ禍をきっかけにゴルフを始めたが、既にやめてしまった(2023年7月時点)」という“早期リタイアゴルファー“が約2割程度存在することもわかった。ゴルフはプレーをするための道具を一式揃える必要があり、ゴルフ場に行くまでの費用もかかる。経済的な理由から続かない人も多いようだ。

 ゴルフカテゴリーが好調だった企業は業績を落とし、キャンプブームで注目された企業も低迷するなど、メディアの報道でも「コロナバブル終焉」の見出しが踊るようになった。