「すぐむせてしまう人」は知っておくべき。嚥下障害があっても「食べやすい、飲み込みやすい食品」

AI要約

「食べる力」が衰えることで起こる嚥下障害について解説。

嚥下障害のリスクや症状、食べやすい食品などの情報を提供。

摂食訓練や食事の工夫について紹介。

「すぐむせてしまう人」は知っておくべき。嚥下障害があっても「食べやすい、飲み込みやすい食品」

 「食事中によくむせる」「食べこぼしが多い」などの症状が、ご自身あるいはご家族に起きている人はいませんか? 「食べる力」は、年齢とともに衰えてきます。自覚がある場合、もしかすると嚥下障害を起こしているのかもしれません。

 嚥下障害(摂食嚥下障害)とは、口からうまく食べられない状態をいいます。嚥下機能の低下は、窒息を起こしやすくするだけでなく、誤嚥性肺炎という、高齢者にもっとも多いタイプの肺炎を招く原因にもなってしまいます。肺炎は日本人の主な死因のひとつで、高齢者にとっては、まさに命にかかわる重大な病気です。

 そこで、全8回にわたり、食べる力の維持や嚥下機能の回復を目指すためのヒントをQ&A形式でご紹介します。早めに対処して、食べる喜びを末永く味わっていけるよう、正しい知識を身につけていきましょう。今回は、摂食訓練をおこなう際の食事についてみていきましょう。

 嚥下障害 第7回 

 嚥下障害があっても食べやすい、飲み込みやすい食品には、密度が均一、ばらばらになりにくい、変形しやすい、べたつかないという4つの共通した性質があります。

 この4条件を満たし、嚥下食として最適なのはゼラチンなどでまとめた食事です。のどの奥に食べかすが残りにくく、つるんと通過していきます。水分を固めたゼリーは食べやすく、嚥下障害の程度が重い場合や、摂食訓練の開始食にも用いられますが、山盛りにしたり、崩してしまったりすると飲み込みにくくなります。薄いスライス状にして少しずつ口に入れます。

 ゼリーのほか、嚙まなくても食べやすい、舌で押しつぶしてもばらばらにならずにまとまりやすい嚥下食として、プリン、ヨーグルト、卵豆腐、刺身のたたきなどが挙げられます。

 液体でむせやすい人は、とろみ剤でとろみをつけるとよいでしょう。とろみ剤というのはパウダー状のとろみ調整食品で、ジュースやお茶、みそ汁などにも使えます。直前に入れて溶かし、数分置いてから口にするようにします。味のくせ、溶けやすい温度や使用量などが製品ごとに異なるので、好みのものを使いましょう。