「物って捨ててもいいんだ…」ゴミ屋敷育ちの40歳主婦が絶句。「嫁いで知った、ゴミ屋敷母の異常すぎる習性」

AI要約

山下恵さんの実母がためこみ症と思われる状況を明かす。

実家のガラクタが増え続け、片付けられない状態になりつつある。

恵さんが家庭を築く過程で母の状況に疑問を持ち始め、実家の片付け作業を行おうとするが困難に直面する。

「物って捨ててもいいんだ…」ゴミ屋敷育ちの40歳主婦が絶句。「嫁いで知った、ゴミ屋敷母の異常すぎる習性」

「あの人は、完全にためこみ症だと思います。父の他界後、家のガラクタは増えていく一方。片付けようとしてもぜんぜん片付きません」

沈んだ声で実母の悩みをこう話すのは、東海地方に住む山下恵さん(仮名・40歳)だ。

20代で結婚後、2人の子を出産。実家から車で15分の距離にある隣町で生活をしている。

恵さんの実母はずっとフルタイム正社員で働き、3年前の60歳で定年退職したあと、近くのスーパーでパートタイマーとして働いている。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。

「ためこみ症は、物の価値とは関係なく捨てること、手放すことができない人のことを指します。

ためこみ症による影響は、物が多くて生活に支障がでたり不衛生になったりと、日常生活や健康に被害が出る可能性があるんです」

恵さんの父は3年前に他界しており、実家では母が一人で暮らしているようだ。

息子2人が小学生になって子育ても落ち着いたので、母が寂しくならないように月に2~3回は実家へ通っていた。

「母はもともと掃除や片付けが苦手です。というか、昔から家事全般が苦手。実家はもともときれいではなかったんですが、父が亡くなったあとから物がどんどん増えていき、生活スペースも狭くなっていったんです」

仕事の忙しさゆえ家事をする時間がなかったのだろうと思っていたが、自分が家庭を築いていくうちに母の「家事のできなさ」に対し徐々に疑問を抱くようになったと話す。

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しています。あらかじめご了承ください。

「母は物を捨てられない人。ため込むし、買い物するときは考えて買わないため、同じような物を何個も買うんです。

リビングから物であふれていて『父と母2人なのに、どうやったらこんなに物を増やせるんだろう』と不思議でたまりませんでした」

母の口癖は「もったいないから置いておいて」「いつか使うから捨てないで」だったよう。不要になった物を捨てないので、家は自然と物で溢れかえっていった。

「ゴチャゴチャした家の中で育ったのでこれが当たり前と思っていたんですが、結婚してそうじゃないとわかったんです。

お義母さんは家をきれいにする人で、着ない洋服や本はバンバン捨てる。大人になって、いらなくなった物はすぐ捨てていいと知りました(笑)」

自分が育ってきた環境は当たり前じゃなかったと気づき、いまでは反面教師で現在住んでいるアパートはきれいに保つようにしているようだ。

実家は100坪程度で一階部分はリビング、広々としたキッチン、お風呂場は大人3人が入れるほどのゆったりスペース。二階部分は約6畳の独立部屋が3部屋、駐車場は4台の車が停められる。

第一子が生まれた頃、周りからは「里帰りしないの? 恵ちゃんの家大きいから、たくさん遊べるね」と言われていたが、赤ちゃんをあの空間へ連れて行くことは無理と感じていたので、出産後は自宅アパートで過ごすと決意していたようだ。

「父の死後から1年が経ち、遺品整理や実家の片付けをしようと、母と妹と重い腰をあげて作業に取りかかろうとしたんです。

恥ずかしい話ですが、家の中だけでなく外にも使わなくなった家具家電やプラスチック製の容器、コードなどが置かれていて、玄関周りも汚いんです......。

ゴミ屋敷と言われても仕方ありません。いざ片付けようと決めるとガラクタの多さに驚愕しました......」

玄関周りや駐車場には、使わなくなった家具や家電が捨てられないまま放置されていて車を停めるスペースもほとんどない。

家の中には長年使っていない服や靴、タグが切られていないタオル、ため込んだ紙袋が山のように出てくる。

恵さんが一つ一つ物を捨てようとすると「置いといて! これは高かったんだから」と母が言ってくるので思うように作業が進まない。

☆そんな矢先、ゴミ屋敷を加速化させる、ある事件が勃発したという。衝撃の後編に続く☆

取材・文 錦城和佳